世渡のよろず屋⑦
「サファイアくん、ただいま」
店番をサファイアくんに任せて少しユグドラシルの外へ出かけていた僕は大きな荷物を持ってよろず屋へ帰ってきた。
「世渡さん、お帰りなさい。って、何ですかその荷物は」
「これはね」
笑美を隠しきれぬまま、台車に乗せて持って帰って来た荷物を店内に入れようと試みたが僕一人の力では荷物を支えることが出来なかった。
「世渡さん、このサファイアもお手伝いさせていただきます」
「ありがとう、サファイアくん」
店主として情けない姿を晒しながらサファイアくんに手伝ってもらい、僕は荷物を店内に運び入れた。
「これは、サファイアくん。君専用の机だよ」
店内には僕が使う机とは別にサファイアくんが持ち込んだちゃぶ台があるのだが、はっきり言って部屋の雰囲気とは合っていなかった。
「良いのでしょうか?」
「当たり前だよ。サファイアくんはこのよろず屋の従業員なのだから」
僕がそう言うとサファイアくんはとても嬉しそうな笑顔を見せてくれた。
2月25日 不知火世渡
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます