派閥

村上俊介

派閥 1 真一は会社の同僚を誘って新橋の居酒屋で飲むことにしたのです、赤提灯のノレンをくぐると女将がいらっしゃいと出迎えこ上がりに案内して、まずはビールねといい注


派閥 1


真一は会社の同僚を誘って新橋の居酒屋で飲むことにしたのです、赤提灯のノレンをくぐると女将がいらっしゃいと出迎えこ上がりに案内して、まずはビールねといい注文も聞かずに、

ナマのジョッキを二つと肴は刺し盛りと丸干しいいねといい、大将刺し盛りと丸干しと頼んだので、何も言っていないのにと文句を言うと、どうせこれを頼むんでしょうと笑った、

のです、


同僚の正之とジョキで乾杯し飲むと冷えていておいしいので、今日は熱かったからたまらんと正之が一気に半分のみ干したのです、営業の成績はどうだと聞くと、腐れた客ばかり、

担当させられているからサツパリだよ、毎週課長には絞られるし参っちゃうよとこぼしたのです、お前は課長に嫌われているからなあと笑うと、おまえはいいよな、おんまり怒ら、

れた覚えがないだろうと言うので、


なんか俺には文句がいいずらいらしいのだ、温和な顔をしているからじゃないか、お前はイケメンで女子社員にもてるから気にいらないのではと笑うと、親にもらった顔だからしか、

たないだろうとふくれ顔をしたのです、回りを見ると自分達と同じで殆んどが同僚や上司の悪口を酒の肴でのんでいたのです、ところでそろそろ上半期の人事異動の時期だが、

何か知っているだろうと言うので、


俺が知るわけないだろうというと、お前は課長に気にいられているので頻繁に飲みにいっているだろうと言うので、そういえばこの前飲んだとき北海道の稚内出張所の営業課長が退職、

したらしいので補充の要請が来ているとか言っていたなと話すと、まずいまさか俺が行かされるのではないだろうなと心配するので、いいじゃないか、人も少ない場所だしノルマも、

少なくて楽だろうというと、


なにいっているんだ辺ぴな場所だぞ都落ちはごめんだと言ったのです、もしそんな所へ行けと言われたら会社をやめるよというので、そうかな俺に行けといわれたら喜んで行くけど、

というと、まあお前はどこでも土着するタイプだからなと笑ったのです、色んな世間話で盛り上がり随分時間がたったので帰ろうといい女将に勘定と言うと、割り勘ね一人2000円に、

負けておくよというので2000円づつ出したのです、


領収書はと聞くので、そんなもの貰っても経費で落ちないし役に立たないよいうと、早く偉くなりなさいと女将が笑ったのです、店を出て駅にあるいて行くと、正之がもう1軒いこう、

と言うので金はないぞ、おごってくれるのかと聞くとまかしておけと言うので銀座の方に歩いていったのです、雑居ビルに着きここの5階だと言うので、ここはまずいよきっと部長が、

いると思うよというと、


大丈夫だよというので何かいやだなあとドアを開けると、案の上奥のボックスに部長が座り前に課長を座らせ説教していたのです、もう店を出る事はできません、ママがいらっしゃい、

と言うので、カウンターに座ろうとすると、村上こっちに来いというので厭な顔して行くと前に座れというので座ったのです、課長はこれで解放されるとホットした顔をしています、


部長が何か言いかけたのを制止して、部長酒の席での説教はやめてくださいよ、飲み代は自分で払いますからと言う、課長が何を言うんだ火に油をそそぐぞと困った顔をしたのです、

部長がまだ何も言っていないではないかと言うので、言う事はわかっていますよ、上期も終わりだからもっと売上げをあげろというつもりでしょうと言うと、わかっているではない、

かと言うので、


駆け込みの時期なのにこんな所で飲んでいていいんですかと皮肉を言うと、口のへらないやつだと灰皿を持ち上げたので、顔を正面からみてどうぞと言うと灰皿を投げたのです、

耳元を掠めてカシャンと音がして床に転がったのです、知らん顔していると、まったくお前はという奴はと言うので、気に入らなかったら稚内でも飛ばしてくださいというと、


お前を飛ばすわけないだろう、一生部下においてこき使ってやると笑ったのです、もういいですかね次は誰の番ですかというと、正之は首をち締め隠れていたのです、かってに、

のんでいいよと言うので、灰皿まで投げつけのですから、ここの飲み代は部長持ちですよと言うと分かったよ、好きな物をのんでいいぞと言ったので、やった~と喜んで立ち、

カウンターに戻ったのです、


ママが相変わらずねあの部長に逆らうのは真一さんだけだよと言うので、おかげで飲み代がただになったよ、ブランデーでも出してというと、ラッキーと言ってポトルを出したのです、

正之はいこごちが悪そうにのんでいたのです、先に出るわけには行かないなあ困ったよと言うので、だから言った事ではないじゃないと笑ったのです、その内部長が僕は用があるので、

と席を立って店を出ていったのです、


課長がついていかないので、どうしたんですかと聞くと小指を立て、これの店に行くので僕は邪魔なのさと笑ったのです、こっちにこいよと言うのでボックスに座ると、まったく心臓、

が縮みあがったよというので、一回怒らせれば気持ちがす~とするんですよと笑うと、お前は憎めない奴だからなあと顔をまじまじみたのです、おかげで美味しいブランデーにありつ、

けたでしょうと乾杯したのです、


課長が面白くないのでかしを変えようといい、山城お前もだと誘い、真一が説教はごめんですよと言うと、僕が村上に説教した事があるか、もつとも説教しても馬の耳に念仏で聞いて、

いないだろうがと笑ったので、僕の場合は馬の耳に粘土ですよと言うと、どういう意味だと聞くので、馬の耳に念仏は一応聞かなければいけないでしょう、馬の耳に粘土は最初から聞、

こえないのですと答えると、


なるほどと感心しています、3人で席を立ち課長のいきつけの店に行ったのです、ボックスに座るとママがここに来ると言うことは部長に説教されたのでしょうと笑うので、そうなん、

だよエレベータで一緒になってスナックにつれていかれたのさ、今日はついていないよと課長がぼやいたのです、相変わらず真一さんと一緒なのね、よつぽど馬があうのねと言うので、

真一が違いますよ、


課長は一人では飲めないので僕を出しにつかっているだけですと笑うと、あらこちらは初めてですね、いい男だ事といい、ママの純子ですと名刺を渡したのです、山城ですと正之が、

挨拶すると、課長の気にいっている美樹が傍に座ったのです、美樹が正之を見てあらイケメンですねと言うので、真一がこいつを好きになると、課長が焼きもちを焼いて稚内に飛ば、

すかも知れないのでダメだよと言うと、


課長がそんな事するわけないだろうというので、美樹が私はイケメンはあまり好きではないのよと答えたので、課長がじや~どんなタイプが美樹は好きなんだと聞くと、勿論真一さん、

よと言うので、やめてくれ、僕が飛ばされるよ、僕は美樹みたいな美人はあんまりと言うと、プイとふくれ顔するので、ママがまあまあ此処で一番偉いのは、山本課長ですよと言った、

のです、



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