可愛くなるには何が要る?

水桜

第1話

中高と女子校に通い、楽しく生きてきた私は大学受験でなんと第一志望の女子大に落ちて、共学の大学へ通う運びとなった。


「ねぇお母さん…」

「分かる、分かるわ。急に共学と言われても困るわよね、お母さんもそういうことあったわ。」

「どうしたら良いの…」

合格発表の帰り道、私はひどく落ち込んでお母さんに相談していた。


「芹香、じゃああなた可愛くなりなさい!!」


「えっ?!」

「まぁ芹香って元々可愛いけど、私の娘だけあって。

でもずっと女子校だったからおしゃれも化粧も中途半端に周りの子に合わせてやってるレベルじゃない?

だからもっと努力して可愛くなれば良いと思うのよ、ね?

お母さんも協力するし、それで早く彼氏の一人二人連れてきてもらわないと~」


「ちょ、ちょっと待って!

別に私はモテなくても良いし彼氏なんて…」


「ダメよ、貴重な青春時代よ~ただでさえもう中高ともにお母さんに似ちゃったのか女子校だし、大学くらい共学でモテちゃえってずっと思ってたのよ~?

せっかく私の子なのにその美貌を使わないなんて手はないじゃなーい」


「さりげなく自慢してない?」


「まあいいの、じゃあさっそく美容院行くわよ~」

「はぁ?!ちょっとお母さん、えぇ!!?」



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