Chapter9 『行くぞ』 9-3

***


ブブンッ


(リムジンは、気流を抜け。 突然光の下に走り出た。)


ブブーッ


ザワザワザワッ


(車は、全く自然に、現実の道路へ。 信号待ちの車列の中に滑り込んだ。)


「・・お見事~・・。 あやめちゃ~ん・・。 ぐぅ・・。」


「白。 寝るならちゃんと寝てな。 まだ8時間しか寝てないだろう?」


(夏樹は少しかがんで、白に毛布をかけた。)


「・・何しについて来たんでしょうか? 白さんは。」


(街中に出て、安心した菖蒲は、片手でハンドルを握り。 夏樹のために、

窓ガラスをわずかに開いた。)


ヒュウッ


(涼しい風に、惹かれるように、夏樹は窓際に寄った。)


カタッ


(真っ白な手を、窓の開閉ボタンにかけた。)


「ダメですよ。 それ以上は開けないで下さい。 夏樹様。」


「うっ・・。」


(バックミラー越しに、菖蒲が夏樹に注意した。)

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