Chapter8 『遅刻予定のアポイント』

Chapter8 『遅刻予定のアポイント』 8-1

(朝食後のダイニングホールは、賑やかな話し声であふれていた。)


(空になった皿が並ぶ中、聖が手短に、メンバーに指示を出す。)


「葵君と光君は、僕の創った結界の修復を頼む。 

今度の結界には、少し手を加えたから、歪がいつもより出ると思うからね。」


「晃君と僕は、今日中に仕上げにかかるよ。」


「夏っちゃんと、菖蒲君は、市内の偵察に。 結界が全て完成しているわけじゃない、

白君、万が一の時のために、付き添ってあげてくれ。」


「ほわ~い・・。」


(過保護な聖の判断に、少し不満気な夏樹の横で、白が気の抜けた返事をした。)


「数馬君は、学校だね。」


(聖は、デザートのプリンを頬張っている数馬に微笑んだ。)


「ええ~っ!」


(静乃が優しく諭した。)


「数馬くん。 校内の偵察もいいけど、ちゃんとお勉強するのよ。」


「小学校の先生も、私たちの事情を知っている、でも目立った行動はダメよ。」


「ぶぅ。 オレも夏っちゃんと行きたい!」


(数馬がスプーンをもったままむくれる。)


「僕も明日から行くよ。 校舎が側だから、会えるかもしれないな。 数馬。」


(夏樹は微笑んだ。)

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