Chapter7 『いつもの朝』 7-9

(両脇の髪が、段違いにカットされて。 小さな頬にかかる様子は

とても可愛らしい。)


「よしっと。 もう行かなきゃ。」


(白いレースのカーテンを揺らす風に微笑み、

部屋のドアへ歩き出す。)


(茶色のプリーツのスカートに、茶色のベスト。 白いブラウスの胸元に

赤い大きなリボン。)


(胸元には、小さな校章のピンバッジがとめられている。)


(白い一枚羽根に、ローマ字でKAZAMIと描かれているのは、

風見ヶ丘高校の校章だった。)


「パパが出る時間になっちゃう。」


(女の子らしい小物であふれる部屋、備え付けのキッチンを過ぎると、

二階の玄関がある。)


(紫苑は玄関から出ず、すぐそば、階下へ続く階段をパタパタと下った。)


トットットッ


(二階から、外階段へ続く玄関と、直に一階の室内へも降りられるようになっていた。)


「おはよう。 パパ。」


(明るい木製の、手すり付き、細い階段の先に、暖かな朝日の射し込む、

ダイニングがある。)


(カウンターキッチンと続く、ダイニングに。 木製の椅子に腰かけ、新聞を開く

紫苑の父が居た。)


「おはよう、紫苑さん。」

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