Chapter7 『いつもの朝』 7-2

(それでも、四六時中、肌身離さず着けているので、

自分の一部のように馴染み。 夏樹はまったく意識に留めていなかった。)


(それよりも、鏡の中で見つめ返す、青白い自分の顔が気になり、ため息をついた。)


『能力のせいなのかもしれないな。』


ガララッ


(夏樹は風呂場へ行き、シャワーの蛇口をひねった。)


シャアアアー


『彩さんが、能力者によっては、いろいろな体質を持って生まれる人がいるって、


言ってた。』


『くすっ。 白もそうだな。』


『10時間以上寝ないと、能力が使えないなんて。 大変だ。』


キュッ


(早々にシャワーを切りあげると、たっぷりとお湯の入った湯船を横目で見た。)


「・・少し入ろうかな。」


ピチャン


(湯船に向かった夏樹の足は、シャワーを浴びた後でさえ、冬場外に立っていた人の

ように冷えていた。)


(側にある湯船は、一人用サイズで。 その先の扉の向こうに、皆が入る大浴場がある。 ここは、夏樹専用のぬるま湯だった。)

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