平凡だからわかる事、わかったことだから平凡だ。

平凡だからわかる事、わかったことだから平凡だ

命は一個しかない。

大事な物だ

「一回だけ生きるから、大事にしろ」って

そもそもわからないわけでもなかった。

ないない尽くしの凡人なら、

大事さを認めながら、

大事にしていることを

理解しようとしていて、

そうなるように努力するだろう。

ないない尽くしの凡人なら、

人に愛されずに、

大事にしてしまいたいものでも

能力的にだめであった。

分かった事だから、

僕は平凡な人間だと。

それで努力したくなくなった。

そんな理屈を知ったって、

欲望にはやってこない。

僕はワクワクしない。

むしろ、

知っているから冷静になる。

それで、

凡人の身分が生まれる。

追うこともなく、

努力にも方向がなく、

ただ、生きるということだけを

考えればいい。

何をすることも、

ない。

だが、

知りたいんだ。

自分をワクワクさせる方法、

探しに探して、

ある日に僕はたどり着いた。

いつも自分に分かるって

言ってばかりいる。

そんな理屈だから、

僕はいつでもわかっているままだ。

それでわからない事がないように

振舞って常に緊張するんだ。

ある日はあきらめた。

何も知らないと言った。

知らないから、知りたくなった。

馬鹿だと思われる事を恥ずかしく思わず、

好奇心をもって、人から謙虚に聞くんだ。

別人の世界も、僕の知らなかった世界も、

何もかもが新しくみえる。

学んだ知識も、当然に思ったことも、

何もかもに見たことのない角度があった。

それでわかったんだ。

辿り着くんだ。

自分にワクワクさせる方法は

何なのかと。

それはね、

自分が何も知らない事を認めて

知りたい心構えで

分かりづらく、

分かっていない物に向き合う事だ。

難しい事を知るようにするための苦痛を

必死に愛しようとするんだ。

苦しくても抱きしめて、

知らない痛みだから、感じるんだ。

そんな事を認めた以上は、

努力したくなる。

読者（きみ）の好みも、

僕は好奇心をもって探るんだよ。

苦痛は火なんだ。

心の目、心の迷いを覚ます

薬物なんだ。

酔っぱらわず、逃げもせず、

気が付いたら、

目で振り向くと、

太陽の光が、

心の目の開けた人間に

いつも、いつまでも、

差していたんだ。