空から有へ

シンエンさま

空から有へ

満たされたい、

心が空虚になると、

まるで人生には意味がなく

人も物も、何もかも、

意味なんて必要ない。


空に浮かんでいる星々にも、

海に沈む夕日のオレンジ空も、

心が折れると綺麗なんて

感じられても感じたくない。


この世には美しい風景があれば、

美しい作品もあろう。

それを褒めるための作品でも、

それを背景にした作品でも、

人に思い出させるためだけに

人に感じさせるために

作者は生み出した。


そんな虹色を見たくなかった。

だが、それだけでよかった

わけでもなかった。


言葉を見るだけでワクワクした。

舌に来る味わいでもあった。

そんな大したことであった。

それを無視しようがなかった。


虹色が見たくないが、

言葉でできた虹なら見たくなった。


なぜなら、人の息がするんだ。

外の景色よりも、

空気ない宇宙よりも、

人が何かを経て、感じたものを

言葉にして、虹を思い出させた。


そんな虹は、

雨の日でも、

晴れの日でも、

何度でも思い浮かぶよ。


だから、

作品は楽しいんだ。

偶には、

リアルの風景よりも、

空想の風景が楽しい。


共についているストーリも

知りたくなった作者のことも、

なんかワクワクさせてくれる。


だからね、

真面目に書きたいんだ。

誰かが僕と似ている事を思っているかもって

そう思っているから、

他人にも、言葉で虹の見えるような

作品を書いて見せたいんだ。


言葉でしか見られない世界、

言葉が目のように様子を覗かせるような世界、

そんな世界の美しさを

君に見せたいんだ。


そんなことは、

言葉を目にしての、

物理世界にはない世界を、

形になってから崩れはしないように、

戻りのない道に出るように

空から有へ

新しい空想世界を

生み出してしまいたいんだ。

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空から有へ シンエンさま @shinennsama

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