趣味:ゲーム(その2)

 担当官が訊ねた。

「えー、青年さんはゲームがご趣味。TRPG(テーブルトーク・ロール・プレイング・ゲーム)のゲームマスター経験は如何ほど?」

 青年はきょとんとした顔で、つい言葉を漏らした。

「ゲームマスター……格闘ゲームチャンピオンとかの事ですか?」

 担当官の表情が凍った。

「なっ……そのままお待ち下さい」


 別室で社内会議勃発。

 ややあって―

「本日はお疲れ様でした。結果は……」


 青年はお祈りをされた。




【未解決編】

 後日、青年は緊張しながら面接先へ駄目元で電話をかけた。今後の就活のヒントになる何かを掴みたかったのだ。

 しかし、悲しいかな、青年は訊ねてしまった。

「せめて落とされた理由を伺えませんか!?」

「内密に出来ますか? この会話も録音していますが」

「出来ます」

 こちらも録音中だが、仕方ない。青年は録音スイッチをオフにした。担当官が言う。

「えー、我が社ではゲームがご趣味の方は大歓迎。しかし、役職統計の結果の一部で、そのゲームマスター経験のある方の方が、非常時の対応においても大変有能である事が判明したのです。

 ですので、未経験の方には昇進などのお話はとても……では、失礼致します」

「Oh……」

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