アピールポイント:ファッションへのこだわり
担当官が訊ねた。
「えー、青年さんは『ファッションにうるさい』……唐突ですが、AVで衣装や眼鏡を外すシーンの印象は?」
青年はきょとんとした顔で、つい言葉を漏らした。
「いえ、特に」
担当官の表情が凍った。
「なっ……そのままお待ち下さい」
別室で社内会議勃発。
ややあって―
「本日はお疲れ様でした。結果は……」
青年はお祈りをされた。
【未解決編】
後日、青年は緊張しながら面接先へ駄目元で電話をかけた。今後の就活のヒントになる何かを掴みたかったのだ。
しかし、悲しいかな、青年は訊ねてしまった。
「せめて落とされた理由を伺えませんか!?」
「内密に出来ますか? この会話も録音していますが」
「出来ます」
こちらも録音中だが、仕方ない。青年は録音スイッチをオフにした。担当官が言う。
「えー、我が社ではファッションにうるさい事は、取引先とのやり取りの上でも大歓迎です。ですが、ちょっとしたアイテムへの関心が薄い方の採用はとても……眼鏡お姉さんとの待ち合わせがありますので、失礼致します」
「眼鏡なんていざという時滅茶苦茶邪魔なだけだぞ……!?」
眼鏡着用者の青年は慟哭した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます