第12話 ムエタイとは何なのか

那須川天心強かったですねー

私は絶対那須川天心がスアキム選手にヒジ打ちでドタマ☆カチ割られて血ダルマにされてTKO負けになると思っていました。


もはや武尊は那須川天心の相手にはならないと思います。

K-1ルールでやろうが、ヒジ膝首相撲ありのルールでやろうが、

角田信朗がレフリーを務めない限り那須川の勝利は絶対でしょう。


でも、那須川天心が引退したら、キック界は元のgdgd状態に逆戻りします。

業界を牛耳っているのがあんな人たちですからね。




さて、今日はムエタイです。


とある強豪選手のキャッチコピーが「日本ムエタイ界の至宝」とかありますが、

日本にはムエタイ界なんてものは存在しません。

そんなおかしなアダ名みたいなのを付けられた選手本人が一番迷惑していると思います。

なぜなら、ハードな練習と試合に明け暮れる彼自身が

一番ムエタイの恐ろしさを実感しているからです。





以下は殆どDジムの会長の受け売りになりますが…


「ムエタイとキックボクシングはどう違うのか」って余程のマニアでもない限り、

分からないと思いますが、その違いがわかる人は日本にはほとんどいないので安心してください。


基本的にまず「ムエタイ」があり、それに対抗するために生まれたのが「キックボクシング」です。

打倒ムエタイはキックボクシングの宿命であり、悲願でもあります。

しかし、それが果たされる事はないでしょう。


何故なら、日本人でムエタイを理解している人間は殆どいないからです。

大体の人はイメージだけでムエタイを語っています。

子供の頃から朝から晩まで練習してるとか、ヒジ打ちとか、膝蹴りとか、首相撲が強いとかブアカーオっぽいとか…

まぁその程度です。



その曖昧なイメージの上に、対抗策を編み出したのキックボクシングなのでありまして、

これは要するに戦争で言えば、敵の戦車の性能とか弱点、運用法を良く知らないままテキトーに作戦を練って、

それでぶつかってボロ負けしてるみてぇなもんです。


それが延々何十年続いているわけです。


じゃあ、タイに行って教わってくればいいじゃん、と思う方もいらっしゃるかと思いますが

実はタイ人はそう簡単にムエタイを外人に教えてくれません。

なぜなら、外人にムエタイ技術を教えたところで出来ないからです。

ムエタイ技術を活用するにはそれこそ子供の頃から毎日のハードトレーニングを欠かさず続けるくらいしてないと

ど~してもわからない部分があるらしく、

外人が大人になってキックボクシングを齧り始めて、

いきなりタイに来て、ハイ教えてくださいとか言われてもそりゃ無理ってもんなのです。


なので、タイのムエタイジムでは外人は基本的に放置されてます。

ニュージーランドのA君なんか、半年間ジムの隅っこで1人寂しくサンドバッグを蹴り続けて、半年のムエタイ修行を終えたとか言ってます。

タイ語通訳のY君も、タイに駐在している時にタイ語でトレーナーさんに蹴り方とかの教えを乞うたけど相手にしてくれなかったと言ってます。


外人はテキトーにミットでヒジ打ちや膝蹴りを蹴らせておけば、勝手にムエタイを習った気分になってくれるので、

金だけ取ってヨシです。


タイにムエタイ修行に行ってきたった!て言ってる奴の大多数はこのクチです。

それから一週間くらいタイ修行に行くのはあまり意味がありません。

せいぜい大金を使ってしんどい思いして終わりです。

最低半年はアッチにいないと成果らしきものは確認できないと思います。


Dジムの先生は、当たった師匠が良かったと言っていました。

彼はタイ国ムエタイ協会の上級インストラクターの資格を持っているのですが、

外国人でこの資格を持っているのは世界に40人程しかいないそうです。

ムエタイの試合技術は(私のレベルの合わせて)ごく初歩的なことを教えてもらいました。

私は首相撲ガシガシタイプなので、パノントワレックやチャモアペットの戦い方を参考にするように言われましたが、

ようつべで彼らの試合を見ても、まるで小学生が高校の数学の教科書を読んでるみたいなもんで、まるで意味がわかりませんでした。



ちなみに、昨年バンコクに観光目的で訪れた際に、

カオサンの「ソーウォラピンジム」と言うところで、二日ほど練習させてもらいました。

遊び半分みたいなものでしたが、それでもタイ人トレーナーさんとマススパーしたら

すごく強かったです。

日本人が持っていない得体の知れない強さがあると感じました。


アレと比べたら、いくら日本でプロのライセンスを持ってるとか空手の黒帯だとか言っても、何の自慢にもなりません。



以上が私の知りうるムエタイ知識でした。

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