へびの王さま
青瓢箪
第1話 かっちゃん
かっちゃんは生きものが
いろいろなセミ、へびの脱けがらを見つけては、黄色い大きな缶の中に入れています。
学校からとぶように帰ったかっちゃんは、制服から着がえると、その缶をさがしました。
近所に住む武道(たけみち)くんが、土手で大きなへびのかわを見つけたと、かっちゃんに教えてくれたからです。
「缶、缶。おかあさん、缶、知らない?」
押いれのすみっこにいつも缶を入れてあるのですが、その場所にはありません。
「
おかあさんは赤ちゃんをだっこしながらイライラしています。
赤ちゃんを産んでから、おかあさんはダイエットをしているのであまり
「だって、ここに入れておいたのに無いんだもん」
押いれに頭をつっこんでいたかっちゃんは、まさか、と思って頭を押いれの中から出しました。
妹の
かっちゃんより先に
「マミ!」
子供べやを開けると、マミがこっちを振り返りました。
座りこんだ
「お前、何してんだよ!」
かっちゃんはあわててマミのところへ行って缶の中を見下ろしました。
「あっ」
ひどい。めちゃくちゃです。
かっちゃんの宝物のかわとマミの宝物のビーズのネックレスがごちゃ混ぜになっています。
レアものの、一番大事にしているカマキリの脱けがらがネックレスとからまっているのを見て、かっちゃんはカッとなりました。
「マミのバカ!」
かっちゃんはマミのかみの毛をつかんで引っぱりました。
とたんにマミは火がついたように泣き出しました。
「勝也!」
おかあさんがとんできました。
「マミが悪いんだよう!」
かっちゃんは真っ赤になって大きな声でさけびました。そして、缶をかかえると部屋をとび出しました。
おかあさんはマミの味方をするに決まっています。いつもそうなのです。マミの方が小さいんだからがまんしなさい、とかっちゃんに言うのです。
かっちゃんはそのまま
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