このステータス社会で。

@Kokoya

第1話 この恵まれた世界で。

急いで家を出る。遅刻まであと5分。学校まではざっと10キロメートルくらいだけれど一応急ぐ。

視界の下の方にせっせか歩く人々が見える。まだ信用していないのかと見下したい気持ちでいっぱいだが、我が家の両親の反対を押しのけ自分で買ったものだ。

安全性は毎日の点検を怠らなければ98パーセント。何か問題があるであろうか。

そう自問自答している内に、改造された自転車が目に入った。

隣のクラスの奴のものだ。名前は確か…忘れた。

黒光りしているカーボンのようなフォルムが目に映る。これは本当にそれなのか、それとも映像なのかは調べないと分からないが多分映像であろう。現代人はあきっぽい。現代は新しいものがいとも簡単に生み出されすぎている。それをけして悪いことであると断定する気はないが決して良いことだけでも…


「キーンコーンカーンコーン」

あ、やらかした。

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