1章 別人_1
「…………
思わず
──別人。
あでやかに
その内の一人、長姫が
声を発するまでの
そんな長姫が
東宮の位に
若君と長姫、どちらにとっても幼く
約束も果たされず、
それでも
東宮として現れたのは、
違う、違うと
「ふ……。そなたの問いの真意は、私が
理知的で上品な笑みを浮かべる
会いたかった若君に、印象だけなら似ている。似てはいるけれど、長姫は
【画像】
初恋の相手を見間違えるはずがない。そう確信できるほど、思い続けた相手との再会のはずだった。
「かつてと変わらず
現状を理解できない長姫は、手にした
若君が相手なら、いくらでも謝罪し感謝もしただろう。目の前で
「……こうして東宮
長姫のように、相手の
かつて面識があったからこその無礼を、笑って許す東宮の姿は、その場の誰にも
同時に、誰よりも東宮と親しい
睨むほど強く見つめる長姫には
「さて、まずはそなたたちが集められたことの起こりから話そう。知っているであろうが、今回東宮妃候補を
東宮の声に、知った内容とは言え誰もが敬意をもって
「本来、東宮妃はただ一人。それが、候補として四人の姫君が
東宮は
「前東宮妃の生まれ変わりの可能性があるそなたたちの内から、今代の東宮妃が選ばれる」
「まず今上陛下が挙げられた要件は、前東宮妃の生まれ変わりである可能性の高い日時の生まれであること。人は
長姫を
「……罷り間違ってこの場にいるという者は、申し出てくれて構わない。もちろん、間違いだったとて責めることはない。こちらの確認不足
そう
そんな目をする者が、あの優しかった若君であるはずがないと、長姫の胸中は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます