龍使いと風の民

誰かが歌っている......また居間で寝ちゃったのかしら?

額を誰かが撫でている

昴 ?

薬品のような臭い

また怪我したの?

目を開けると岩の天井が目にはいった

家じゃない!

そうだった.......異世界に飛ばされて 魔女に攻撃されたんだった。

「呪詛にあたったわけではなさそうだな。」

体を起こすと座っていた男性が本から顔をあげる

洞窟のようだ

枕元におかれたランプが岩を照らしている

「ここは?」

「『ドラン』の洞窟だ飛竜がお前を連れて来た。」

ヒリュウさんて人が助けてくれたのかしら?

「龍達が騒いでいる。龍の子がとらえられているのだとか。」

洞くつの入口に現れた銀髪の男性がそう言ってため息をつく

「龍を支配するほどの魔力があるのか?」

「やつの側にいる者の中に強い魔力を持つものがいるらしい。目が覚めたか。」

この人がヒリュウさん?

それどころじゃない

「魔女は ?昴はどうしたの?」

「魔女?あなたは魔女の攻撃を受けたのか?」

「魔女に襲われて.........キツネはいやキキョウさんは?」

「俺達は飛竜に助けられたあんたしか見てないぜ。」

昴はキキョウはどうしたんだろう?

色とりどりの光が上の吹き抜けから差している

回りはクリーム色の岩

岩のすき間からみえる薄紫の草を見て異世界だと実感させられる



「だいじょうぶですか?」

瑠璃を落下させた魔女を振り落とした記憶はあるがそこから思い出せない

「瑠璃は?ここは?」

「瑠璃さんの行方は仲間が追ってます。ここは『ヘブン』です。リリカと戦っている貴方を見つけて保護したのです。」

ほら穴ではなく大きな木の根元のようだ

絡まった木々のすき間からこの世界どくとくの金色の光が差している

「体が動かない......」

「魔力の使い過ぎですよ。体を休めてください。名乗らず失礼いたしました。私はアンダンテともうします。」

体が重い......

動かしたくても動かない

「『マホロボ』の移民は牙族が引き受けてくれるって、あの変なユニコーンはハル君と一緒に瑠璃さんを探しに行くって飛んでいったわ。目が覚めたのね 、安心して私たちは味方よ

。 」

手に持っていた草を壺にいれる

豊かな水色の髪を上にまとめている女性は腰に剣を差している

「あのあたりはまだやつの支配には入っていないからすぐ見つかるだろう。リリカも捕まるさ、オパールさんとピースさんの追跡は逃れられない。」

アンダンテと名乗った男がいう

「カラーさんの娘に手を出したんだからただじゃすまないでしょうね。名乗らずごめんなさい私はラズ、『水の乙女』。」

襲ってきた女はリリカというらし

すぐに瑠璃をさがしたい......

思いはあるが体が重い

ダルさにまけ昴は目をつぶった


竜......お城にいた龍よりは小さくてコウモリのような羽がある。

「行く必要はなさそうですよ。おむかえがきました。」

銀色に輝く馬が降りてきた

「瑠璃さまお怪我はありませんか?」

『アクア』に行くときにいたお兄さんがシュタッと下り立つ

「ヒッヒリュウさんに助けていただいたんでだいじょうぶです。キキョウは?昴は?」

「仲間が保護してますよ。コカさんにスィーラさん、お二人がいて助かりました。」

剣を前に構えてお辞儀する

国の違いかしら?

「ちょっとヘマやって隠れてる身何で俺に会ったことは他には言わないでくれ。」

コカと呼ばれた男性が言うとピースさんは天を仰ぎ唇をなぞった

一瞬金色の光がのびた

「『牙族』の『水の人』に伝えて貰えますか亜種が産まれたと。」

スィーラと呼ばれた人がそういって何かが入った皮袋そピースさんに渡した。

「伝えときます。亜種は闇付きですか?」

「まだわかりませんが闇付きではないと思います。」

うなずき口笛を吹く

先ほどに馬がかけてくる

「闇付きだったらすぐに飛竜を寄越してください。では、瑠璃さんはペガサスに乗ってください。俺はこの飛竜を借ります。」

飛竜なるほど翼がついてる龍ね

銀白色の馬に見えるけどペガサスらしい

マッチャよりはポイけど

煙が立ち上る向こうは険しい山

そこに龍がうごめいている

本物だ、すべて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る