マシェの住む場所Ⅱ

エレベーターで下に下るような感覚がした

気がつくと洞窟にいた

キキョウから降りる

天井から下がる木の根からこぼれる光るで洞窟は暗くない

蔦のような植物が生えていてそこから黄色い花が咲いている

あれ?

なんか髪の毛の色変わってる

体型とか皮膚の色は変わっていない



「こんななりでレディーの側に行くのは礼儀ただしくないけど失礼。」

バキバキという音がやんだんころ

一人の男性が入ってきたいや降ってきた

「イテテ、あのババアほんきでやりやがったな。」

腕も顔も傷だらけだ

岩に生えている

白い花をかみくだいて

切れた傷口につける

「だいじょうぶですか?」

「命あるだけでも上等だ、まあ役目は果たしたからいっか。」

見事な赤毛をかきあげる

キキョウがチラリと見て

フーとタメ息ついた

「掟やぶりをまたやっただろって?うんやった。」

キキョウとは知り合いらしい。

「わかったよ出ていくさ。」

尻尾でたたかれ出ていく

甘いユリのような香りが強くて

頭がもうろうとしてきた

キキョウに身を預け私は寝てしまった。


「異世界の女性を王妃にするから闇が濃くなるのさ。ワシの目をくらますとはとんでもない女じゃ。」

しわがれた老婆の声がする

「それを言ったら私も闇の影の原因になる。」

甘くてスーとする臭が鼻をかすめる

体の中にしみていく

「そなたは守の役目を一番にしただろう?大臣の奥方は素晴らしい 。 同じ異世界人でもこの世界のためにと我子をみずからワシに預けてくれた。」

目を開けると石の天井が見えた。

ぼんやりと光る石のランプにてらされそこに何かが刻まれているのがわかる

「瑠璃、目覚めたか。そなたに話さなくてはならないことがある。」

私のそばで石のパイプを吸っていたカルメンさんがパイプを置く

白髪の老婆が赤坊を抱えている。

「ここは?」

「マシェの住む場所だ。私がここに残ることになるかとおもったがその必要はないようだ。」

白い皮を引いた寝床に私は寝かされていた。

ふと肩にかかる髪を見ると見事な栗毛になっていた

ヤッパリきのせいじゃんなかったんだ

「そなたの娘というのは本当のようだなに銀と赤がまぢる髪に額に刻まれた文様、アマリリス家の女に引き継がれるものじゃ。」

私の髪にふれる。

『赤い髪の男性のことをきかれても知らないとこたえるんだよ。』

頭の中でささやきがきこえる。

なに?

『私はキキョウだよ。マシェは弱くなっていて私達の声はきこえない。』

膝の上にキキョウが乗る。

「リリィの花の香りで本来の姿が戻ったか。赤毛の男を見なかったかい?」

「いつの間にか眠ってしまったのでわかりません。」

私が応えると老婆は首をかしげる。

「私の娘と言っても魔術とは無縁の世界で育った。息子と同じ気を読む力はない。」

カルメンさんがフォローしてくれる。

「まったく三つ目一族の落ちこぼれが。」

ブツブツいいながら

暖炉のほうに行く

「イロイロ、有りすぎて理解が出来ません。私はあなたの娘なのですか?なぜあなたは私を捨てたのですか?」

「そなたは私が異世界で産んだ娘だ。捨てたわけではない時が来たらそなたを向かいに行くつもりだったんだが兄達が行方不明になり父も体調をくずし私が守人の役目を引き受けることになった。守人の娘としてそなたを育てるよりはあちらで育って欲しかった。トウマがだらしない男なのはわかっているだがこの世界の争いごとに巻き込まれるよりは良いと思ったしな。」

私の父は芸能界でもお騒がせな女たらしだ

「カルメン、あんたはコーリィン王の婚約者ではなかったのかい?」

「ネームを助けようとして闇の狭間に落ちて記憶をなくしていたんだ。瑠璃が産まれてから思い出した。あちらの世界で暮らせるように容貌をかえる術をかけたのは迷っていたからだ。」

魔術?

じゃあ私が今までいた世界が幻なの?

「闇の狭間にいる間に昔の入口に迷いこみそれがたまたまトウマの実家だったのさ。中身を似つかぬが外見はコーリィンと似ているからほれたのかもな。」

カルメンさんがコツコツとパイプの中身を叩いて捨てる

小箱からスッとした香りがする

「父が異世界の血が入っているとかなぜわかるのですか?」

「私は幼きころから真の魔術を見抜く訓練をしている。魔力があるかは一緒にいればわかるさ。」

なんかよくわからないけど感てやつかしら?

祖先て言っていたから父の両親ではないが……遊女てなんか龍の神聖なイメージがくるうな。

「置いていったのはすまなかった。私は家を継がなくても王妃となる身でな。そなたはトウマと同じ漆黒の目、この世界では黒は闇とつながる証しとされているので何かと苦労するだろうという思いもあってな。」

なにそれ?

地球の人種とくりアジア人はみんな悪者になるじゃない。

「ネオス王国は闇の者をひどく嫌う。アマリリスの血の引くものとなれば自由はなかったじゃろう。」

老婆の言葉にネオスには行きたくないと思った

「とにかくダーティの預けた力とやらはなんなのか調べなくてはならないな。マシェどの何かご存じか?」

「ティ一族は闇をもっとも嫌う一族、わしに言えることは闇に属するものではないということだけじゃな。」

真中に置かれた壺を交ぜながら老婆が応える

「瑠璃、具合はだいじょうぶか?」

体は軽い

昴はだいじょうぶだろうか?

「動けるなら行こう。長居はよくない。」

黒は闇の色

ナナさんは黒髪だった

苦しさをぬけたのだろうか?

キキョウの背に乗りながら思った。






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