ストーンドラゴン~新たなる世界息吹くとき~

永久 夏波

ことの始まりはワイン

ワインを持ってパラダイス

私の住む家は絡繰りだらけで

うっかり隠し扉に……てよくあることだけど

これは……あり得ない

パーティーに使うワインを取りに行き扉を開いた瞬間に空中にダイブした。

ワインボトル片手に落ちる

「瑠璃、どこか……ワー!」

私の横に男性が降ってきた

「昴、これなに?」

下はキラキラ光る海?

「なんで海なんだよ。」

それは私が聞きたい

家の当主は昴なんだから

ボッチャーン!

ポフン!

昴は海に落下、私は巨大な狐の上に落下。

「まにあわなかったか。」

現れた蛇いや龍が昴をくわえる。

「ウワーまだ死にたくない。」

暴れたから逆さ釣りに。

お腹まるだし

ひどい有り様だ

「フェニ、ストープ。」

女性の叫び声がして

さらに顔面に巨大な金色の鳥がアタック

ズボンがさけて鳥の頭にダイブ。

キョッキョエ?キョー!

視界を失った鳥が大騒ぎでバタバタ舞う。

鳥の頭に顔をつっこんだまま昴は気絶したらしい。

「不味いペッ!」

龍が龍らしくないことをいい口の中の昴の忘れ物を吐き出す。


「エディーラこれはなんだ?」

輝く花畑に着地したしゅんかん昴のズボンの切れ端をもった金髪の男性が言う。

「客人のお召し物だ。はてフェニはどこに?」

ガラガラ、ドーン!

キョエー!

「…………。」

昴……生きているかしら?


「痛い痛い。」

背中をすりむき、頭をうち、治療受けている昴だ。

「姫様もジェリコ様も客人にお怪我をおわせてはだめでわないですか。」

治療をしている青色の髪の青年に言われ。

「キキョウはベテランだけどフェニは素人なんだからしょうがないでしょ。」

異世界の御姫様らしくないことをいう。

キキョウというのは今は普通の狐ぐらいに縮んだ二俣尾の狐のことらしい。

「湯浴みさせとけばフェニ様はだいじょうぶですよ姫様。」

赤い髪の小柄な少女がいう。

「風魔鳥なのになんで安定しないのかしら?」

「姫様、お客様にご挨拶とお呼びした理由をはなさなくてわ失礼ですよ。」

青年に言われて少女が忘れてたとつぶやく。

「金髪の方のお手当て終わり次第お話しします。ミーシャ、お茶とお菓子をおもちして。」

いきなり御姫様口調……

着てる服もドレスだし

なんか行きなりファンタジーな展開になってる。

通されてる部屋も前には色とりどりの草花が茂る丘が見え右側はキラキラ光る海

南の国の宮殿みたいに窓や壁はない。

甘酸っぱい香りが鼻をくすぐる。

「いきなりこちらにお呼びしてすいませんでした。私の名はジェリコと申します。」

金髪と言っても染めた感じじゃなくて外人みたいな綺麗なブロンドの髪だ

目は綺麗な青色だ

「この世界は私達はウニバルゾと呼んでおります。ここは王の住むシティー『アポネス』です。私は長い出来ないので詳しくはナナ姫からおききください。」

消えた?

去ったじゃなくて?

「ジェリコ様の映像のようなものなのですよ。名を名乗らず失礼いたしました。私の名前はラルと申します。ネプチューン王に使える者です。」

胸元に手を交差させてお辞儀する。

正座するべき?

ペコと頭をさげた

私もすごい格好

うちの洋裁大好きな人が作ったワンピースはドレスだ。


昴が治療中に寝てしまい

ラルさんは王妃様の所にいき

何がなんだかわからないままクッションに座っている

「ナナ、お前に任せるんじゃなかった。」

やってきた茶髪のおじさんが額をおさえる。

ナナと呼ばれた御姫様は昴に突進した赤と金の鳥に紫いろの実をあげている。

「異世界からの客人ですね。私の名はパリスと申します。」

肩から鎖で繋がれた小さなグラスをかたどった装飾を両手にのせ会釈する。

「なんだかわかんないけど。僕は星砂昴です。こちらは妻の瑠璃です。なぜ僕の家のワイン倉庫が空につながっていたんですか?」

「妻が怪我まで追わせ失礼いたしました。こちらのワインボトルはわが国でも貴重な石でできております。我々がわけあって召喚したタイミングと石の封印がとけたのとで空間が歪んでしまい危険なことになったと思われます。」

なんかファンタジー小説あるあるてこの机の上にあるワインがポートキーてことかしら?

前で紐で止める白いシャツに黒い刺繍の入ったズボン

こちらの服が似合う昴は社交モードだ。

「なぜ家に貴重な物があったんですか?」

「それは私もわかりません。この石じたい王家の者でも手にはいるものではないのでこの石を貰うのにふさわしい人物があなた方の世界にいたのでしょうね。」

つまり年期のはいったワインて問題じゃないわけね。

「今回の召喚の理由はこの世界を救うある石を持つ乙女が必要になったからです。」

もしかして、昴が私を見て笑いだす。

「こいつ、乙女じゃねえぞ。やること雑だし中身はおやじだぞ。」

失礼な……この不良

「私の娘に失礼な。昴あいかわらず下品だな。」

いつきたのか銀のベールをかぶった女性が丘のほうから入ってきた。

「レンカさん?瑠璃は師匠の実の娘だったのか。」

養子だと思ってたのね

にてないからね

私の父親は有砂冬馬、有名アイドルでスクープ王

私は中学あがるまで父親に育て

女好きで子供ほったらかしだったから父の友人のアゲ姉ごとくアゲハさんに育てられたようなもんだけど。

この人が私のお母さん?

「パリス、そなたは仕事に戻ってよいぞ。ナナ、ウメカが泣いていたぞ。」

アラアラと言いながらナナさんが出ていく。

「すまんなカラー。」

パリスさんはペガサスが描かれた扉から出ていく。

「さてまずはここはどこか説明しなくてはならないな。ここは『ウニバルゾ』そな達の住む宇宙のとなりにある空間だ。ここは『ネプチューン』王国の王宮だ。先程の男性は大臣のパリス、女性は妻のナナだ。」

そういいながら手から光や球をだす。

薄むらさきとピンクが混じったような色をバックに輝く球体が浮かんでいる。

これがウニバルゾなのだろう。

「私の置き土産がまさか娘を連れてくるとわこれもなにかの縁かな。この世界は今、危険におかされていて、そなたたちの世界で言う神の復活が必要なんだ。」

いっきにしゃべり青色の髪の少年が持ってきたポットからお茶をそそぐ

バラの匂いがした

「それで僕達が世界を救のですか?」

「救うための有るものを集めるのに瑠璃が必要。そなたは送り返してもよいぞ。」

穏やかだけど昴の額に怒りマークが…………

「わけのわかんない世界に妻を一人には出来ませんから。僕と瑠璃さんは夫婦なんですよ。」

お茶を持ってきた少年が昴を見つめる

「いずれは困らされそうだよ。ハルさんのほうがふさわしい。」

ハル?

ハルは私の幼馴染みだ

アゲ姉の一人息子で過保護すぎて家出したんだとか

まさかここにいるの?

「コラッ、ルーシャ素直な感想をのべてはいかん。」

実は昴、ハルから私をうばいかなり恨まれている。

プライドの高い昴はハルと比べられると……

怒りだす

「これでもくえ。」

反撃しかけた口に何かをいれられた。

「ムグッ美味い。チョコレート?どこの。」

あんたは子供か……

「まあとにかく力を貸してもらいたい。」

帰ろうにも帰れないしやるしかないでしょ。

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