転生したんで幼女ハーレム目指したい(涙目)

朝田アーサー

第1話

 ここはどこか。

 漠然とした問いが俺こと、讀賣新聞よみうり にいきの中で産まれた。

 目の前は勿論、後ろも左右も滞りなく俺の知識では言い表せない色で彩られている。

 白といえば白だし、黒といえば黒。普通ならばありえないことなのだが、今現在讀賣の前では起こっている事実だ。

 「世の中って不思議だなぁ」

 顔をあっちにやったりこっちにやったりなど、まるで子供の様に首を忙しく動かしている。

 だが、そんな中あることに気がつく。

 「なんだこれ?」

 讀賣が指を刺したのは黒い発心のようなものだ。それは黒光りしており、ある特定の生物が途端にあがる。

 「あ、あっちにもあるわ」

 部屋中をよく見渡せば、これと同じものが数個ある。

 それらはなにか規則性があるかのように均一に並べられており、まるで人の手が加わっているかのようだ。

 そして、もう少し歩き回ってみると、ある異変に気づく。

 「なんでここだけ均等じゃないんだ?」

 よく周りと照らし合わせないと解らないが、すこしだけ縦長の長方形になっている。

 なぜここだけなんだろうかと讀賣は周りを見渡すが、何も検討がつかない。

 「ほんとになんなんだろうな」

 そう言うと、先ほど見つけた長方形の形をした囲いの中に触れる。

 何も起こらない、なんてつまらない結末は待っていなかった。

 「く、そ! なんだよこれ!?」

 讀賣はに埋まっていく手を戻そうと反対側に体を傾ける。だがうんともすんとも言わすにただ壁際に吸い込まれるだけ。

 そして遂には足先までもが壁に埋まってしまう。

 「はぁっはぁっはぁっ」

 『恐怖』この一言が体を強張らせ、『焦燥』という一言が心を駆らせ正常な判断が出来ない。

 だが、本能が逃げろと体に言い、脳のストッパーが全て外れ一気にアドレナリンがあふれ出す。

 これならと讀賣は感じるが、既に手遅れだった。

 「く……」

 その部屋には誰も居なくなり、静寂が訪れる。

 今この瞬間で世界が更新された。

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