六 アラフォー。

「見えてきたでち」


 ポルメアへと続く街道を逸れて約一日。一行はフェリングの里へとやって来ました。柔らかな風と共に波打つ草葉。のんびりとした田園風景が広がります。


「カリンちゃんの家は何処だい?」


「あそこでちよ。あの赤いドアの家でち」


 カリンはそう言って指を差しますが、どの家も赤いドアが付いていて尚且つ屋根は緑に覆われているものですから、一体どれなのかは分かりません。


 フェリングの住宅の作り方は、私達のものと変わりません。土台を整地して柱を立て、屋根を作ります。ただ、最終工程で屋根に土を盛るので、柱は頑丈且つ土の重量を分散出来るような作りになっています。


 そうして完成した家は土が盛ってあるお陰で、夏は屋根に草葉が生い茂る為涼しく、冬は陽の光を土に蓄える為に暖かいのです。


「どうぞでち」


 赤いドアをギギギと開け、カリンは皆を誘います。しかし、そこはフェリングの家。立ったままで入れるのは、カリンと男の娘のセーラだけでした。他は皆、屈んで入らなければなりません。


「お邪魔します、ご主人様マスター


 先にドアを潜ったのはミュウでした。続いてセーラが普通に入ります。その後、シルビアにエリザ王女と屈んで入ります。そして最後にお店のマスターは、屈んだまま・・・・・入りました。


 実は先に入った女性陣は、屈むとパンツが丸見えになってしまっていたのです。それを見たお店のマスターは残り物には福がある。と、内心思っていました。


 中は思っていた以上に広く、綺麗に整理整頓されていました。カリンのメイド流お片付け術が、ここでも生かされているようでした。だた、なにぶん天井が低いので、中腰にならないと移動が出来ないのが不便な所です。


「その辺の床に座って寛いでいるでち。お茶を淹れるでちよ」


 カリンは鉄製の、恐らくはドルワフが作ったと思われるヤカンを手にして台所に向かいます。『あ、私手伝います』とミュウが名乗りを上げましたが、即座にしゃがみ込みました。どうやら天井に頭をモロ打ち付けたようです。埃が多少舞いましたが、フェリングの家はちょっとやそっとの衝撃ではビクともしない頑丈な家なのでした。



「どうぞでち」


 湯呑みを受け取ったエリザ王女が一口啜ると、今までに味わった事の無い不思議な味がしました。ですがそれは不味いという訳ではなくて、とても奥深い味と微かに香る大人な香りについ酔いしれてしまうようでした。


「とても美味しいですわ。一体何の茶葉なのですの?」


 一国の王女。と、いう立場のエリザは、お茶の時間に色々な地方のお茶を飲みましたが、カリンから出されたお茶は初めて味わう物でした。


「葡萄の葉っぱで作ったお茶でち」


 カリンは、どうぞ。と、ミュウに湯呑みを手渡しながら言いました。


「……ひっく」


「か、カリンちゃん。姫サンが……」


 他の人にお茶を淹れていたカリンは、お店のマスターに言われてエリザ王女の方を見ると、頬を薄っすらと染め瞳を潤ませた王女が、お店のマスターに迫っていました。酔いしれるどころかモロ酔っていたようです。


「ねぇん、マスター。私ね、マスターのぉ、ア、レ。欲しいなぁ」


「あああ、アレって?」


「ええー、女の子の口から言わせるのぉ?」


 女の子座りになって前に屈んでいるので双丘渓谷は今日も快晴です。ギョグリ。と、お店のマスターは生唾を飲み込みました。だけどもし、王女に遊び半分で手を出そうものなら、あの王様が猛り狂う事は間違いはなく、死刑よりも残酷な男の娘の刑にされかねません。


 目を潤ませた王女の顔が、お店のマスターに三十センチルメトに迫った時、お店のマスターの思考はある一点に辿り着きました。遊びじゃなく本気ならオーケーじゃん。と。例え本気だったとしても十中八九アウトですが。


「マスターのぉ、欲、し、い、の」


 エリザ王女はお店のマスターの耳に息を吹きかけながら言いました。と、その時です。バチリッと小さな音がして直後にエリザ王女がクタリとお店のマスターに寄り掛かりました。


「全く、エロ女が」


 言ってミュウはズズズとお茶を啜ります。ミュウが放った雷の魔法によって、王女は気絶させられたみたいです。ちなみにエリザ王女が欲しかったのは、お店のマスター特製のメープルワッフルでした。お茶に合うと思ったのでしょう。どうやらエリザ王女は、酔うと欲しがる体質なようです。


 エリザ王女がおかしくなった原因はコレだ。と、お店のマスターはエリザ王女が口にした湯呑みに鼻をあて、スンスンと嗅ぐとお酒の匂いとエリザ王女の香りがフワリとしました。


「カリンちゃん、コレほんの少しだけど酒の匂いがするぜ?」


「え? あ、そうでちた」


 フェリング達が葡萄酒を作る際には、果実と共に葉っぱも一緒に樽に詰め込みます。その後、果実の方は崩れて液化しますが、茎や葉っぱはそのまま残ります。それを乾燥させてお茶にしている為、アルコールが染み出していたのでした。


 それを飲み慣れているカリンは、小学生のような見た目ですが御年八十歳ですので多少のお酒で酔いませんし、お店のマスターはアラフォーですのでこちらも問題はありません。ミュウとセーラはエンシェントドラゴンですので、お酒では酔いません。先に湯呑みを手にしたエリザ王女だけが、被害を被ったようです。


「ん……」


「お、目を覚ましたみたいだな」


「ハッ、私いったい……あらら? 目がクラクラしますわぁ」


 エリザ王女は起き上がってそのまま反対側の床に倒れてしまいました。どうやら王女は二日(?)酔いになってしまったようです。


「しょうがないな、私が毒を抜いてやろう」


 そう言ったミュウがスックと立ち上がり再び頭を抱えて踞りました。天井に頭をぶつけたのは二度目です。


「いつつ……ジッとしていろ。すぐ楽になる」


 ミュウはエリザ王女の首の付根に腕を回すと、間髪入れずに遠慮無くブチュッといきました。初めは手足を振って激しく抵抗していたエリザ王女ですが、その動きも段々と弱くなり最後にはされるがままになっていました。


 ポンッ! というよりはヌチュッ。と、いった感じでミュウは王女から離れます。その際キラリと光る何かが二人の唇を繋いでいるのが見えました。それをセーラはニヤニヤしながら見つめ、シルビアは両手で自分の口を塞いで驚き、お店のマスターの銀河精神では猛り狂う暗黒面との戦いが始まりました。


「ミュウ」


「はい。何でしょう? ご主人様マスター


「王女が呆けて戻って来ないんでちが?」


 見れば王女は、虚ろな目をしたまま身体だけがビクンビクンと痙攣していました。


「大丈夫ですよ。その内気付くでしょう……お、目が覚めたようです」


 エリザ王女は、こめかみに掌を当てて起き上がると、軽く頭を振ります。


「あれ? 私――」


 言い掛けた言葉をつぐみ、次の瞬間には王女の顔が熟れたトマトの様に真っ赤になりました。どうやら思い出してくれたようです。


「だ、大丈夫だ姫サン。同性はカウントされないと聞いた事がある」


 猛り狂う暗黒面との戦いを続けながらお店のマスターはフォローらしきモノを入れます。


「エリザおねぇ様。いつか私にもあんな熱いキスをして下さいね」


 シルビアは頬を押さえイヤンイヤンと首を振りながら言いました。どうやらシルビアは同性◯ォースへの覚醒が間近の様でした。



「てぇへんだ! てぇへんだっ!」


 カリン達が室内で寛いでいると、表が俄かに騒がしくなってきました。


「随分騒がしいでちね」


 ガチャリ。


 カリンが家のドアを開け外に出ると、一人のフェリングが大慌てで走って来ます。


「トンボ。どうちたんでちか?」


「あ、カリン! てぇへんだ! てぇへんなんだよおっ!」


 トンボと呼ばれたそのフェリングは、よっぽど長い距離を走って来たのでしょう、カリンの側まで来ると、地面に向かって荒い息を吐き出し、嘔吐えずきます。


「大変なのは分かったでちから、取り敢えず落ち着くでちよ」


 カリンははい。と、淹れたばかりの熱々のお茶をトンボに渡しました。そして、当然熱くてむせ返します。


「あっつ! ゲホッ! ゴホッ!」


 何処で似たような事があったな。と、カリンはデジャヴを感じつつ、トンボが落ち着くのを待ちました。その間に、中からエリザ王女等が表に出て来て、トンボのむせ返りは延長します。


「はー……、はー……」


「それで? どうちたんでちか?」


「えーっと、何だっけ?」


 いや、こっちに聞かれても。と、カリン達は思っていました。


「…………あ、そうだそうだ! ドルワフの鉱山で落盤事故があって、支援要請がきてるんだ!」


『何だって(ですって)!?』


 お店のマスター以下、皆が声に出しました。


「トンボ。そんな大事な事を忘れないでくれでちよ」


 大事な事を一瞬でも忘れる。それがトンボなのです。


ご主人様マスター、私達はその様な事に構っている時間ひまはありませんよ」


 ミュウは一応気を使ったのでしょう。カリンの耳元で囁きます。しかし、人間達には聞こえなくてもトンボには聞こえている様でした。フェリングは草原の民ですので、耳が良いのです。


「どうする? カリンちゃん」


 みんながカリンを見つめます。


「決まってるじゃないでちか。行くでちよ」


ご主人様マスター!?」


「ミュウ。フェリングとドルワフは盟友なのでちよ」


 主に武具の製造元として重宝しています。


「そんな友達の危機に、駆け付けない訳にはいかないのでち」


 ドルワフとの関係が切れれば、里の収入が減ってしまう事になってしまいます。


ご主人様マスター……」


 ミュウは余程感動した様で、目を潤ませて祈るように両手を胸の前で組みます。しかし、ミュウが思っている様な事情では無いのが現実でした。


「そんな訳でちからトンボ、わたちたちも行くでち。あんたは人を集めて来るでちよ」


「そいつぁありがてぇ。んじゃよろしく頼むわぁ」


 そう言ってトンボは再び、てぇへんだ。てぇへんだ。と、駆け出したのでした。


「んじゃ行くかカリンちゃん」


 お店のマスターは掌に拳をパシリと当てて、やる気は満々です。


「向かうはドルワフ鉱山。気合入れていくでちよ」


 カリンの顔をみながら、ミュウにセーラ、エリザ王女、シルビア、お店のマスター。それぞれが頷きました。




 ドルワフ、ローズデライト鉱山。ローズデライトとはこの世界でも指折りの硬さを誇る鉱石です。約百年ほど前に、その鉱石があることを知ったドルワフ達が住み着いて街を作りました。四千ルメト級の山の中を何百という坑道が通っていて、夜間は換気口として開けた穴から光が漏れて、山肌がまるで悪魔が微笑んで見える事からこう呼ばれるようになりました。微笑む魔山オニクウッガと。


 フェリングの里から馬車で半日。一行は鉱山の麓、地中都市アスホルンへの入り口へとやって来ました。


「でけぇ。これがアスホルンの入り口かよ……」


 お店のマスターはぽかんと口を開けながら上を仰ぎ見ます。入口の門は高さは約二百ルメト、幅は百ルメトにもなる巨大なモノで、そのあちこちには、ドルワフ達が意匠を凝らした柱や壁画などが置かれ、女性を形作った像や天使と悪魔の戦いを描いた壁画等が彫られています。その中にはドラゴンを形作ったモノも存在していました。


「どうちたでちか? マスター」


 その龍の彫像の前でお店のマスターが引っ掛かっていました。


「いや、コレ今にも動き出しそうでな……」


 リアリティを追求したドルワフ渾身の作に色まで塗ってあるものですから、お店のマスターが錯覚するのも無理はありません。


「ん? これは古龍帝様の像ではないか」


「古龍帝でちか?」


「ええ、そうです。我等古龍の長です。そして、あっちにあるのが龍王の像ですね」


 ミュウの話によると、太古の昔にあった聖魔大戦の折に、龍達は神の側についた古龍帝派と悪魔側についた龍王派に分かれて戦ったそうです。そして負けた龍王派は神の手によって闇の底に堕とされたのだという話でした。


「古龍帝様の命によって我々古龍は各地に封印された宝玉の監視をしていたのです」


「それを盗られたら意味無いでち。バレたらお仕置き確定でちね」


「「うっ!」」


 ミュウとセーラは硬直して汗をダラダラとかき始めました。そのお仕置きとは、エリザ王女の様にお尻ペンペンでない事は確かです。


「で、ですからこうして回収に……」


「回収というか、尻拭いでちよね」


「うっ!」


 カリンはジト目でミュウを見つめます。


「さ、さぁっ! 早く行きましょうご主人様マスター


 声を裏返して言ったミュウは、ぎこちなく進み始めました。



 トンネルを抜けると、広大な街並みが一行を迎え驚きを与えました。


「噂には聞いていたが、実際見るとホントに凄いな」


 お店のマスターの言葉に皆が頷きます。アスホルンは小国エルフリートのほぼ四倍の人口で、この地に住んでいるのはドルワフだけではありません。ドルワフの技工士を師と呼ぶ人間族も居れば、フェリング族などもここに住んでいます。でも流石にエルク族は居ないようです。


「それで、どちらへゆくのですか? 闇雲に坑道を探す訳にはいかないでしょう?」


 エリザ王女は左腕に引っ付いているシルビアが鬱陶しそうでした。


「採掘組合ギルドに行けば詳しい事が分かるでち」


 ドルワフが運営管理を行っている採掘組合ギルドの支部が各地には点在していて、ここアスホルンにもその支部があります。その仕事は主に、何処をどれだけ掘ったか、採掘した素材の確認と管理、そして市場での売買等を行っています。なので、そこへ行けば一発で分かってしまうのです。


「どういったご用件でしょうか?」


 採掘組合ギルドの扉を開け中に入ると、髭をぼうぼうと生やし金縁で丸メガネをかけたオッサンが声を掛けてきました。しかし、その声は見た目とは裏腹にハスキーなボイスだったのです。


「え……? 女性。ですか?」


「そうでちよ。女の子でち」


 カリンは知っていますがドルワフの女性は男と同じく髭が生えているので、知らない人達から見ればどこをどう見てもオッサンにしか見えません。


「事故の応援に来たのでち。マギムネさんは居るでちか?」


 少々お待ち下さいと言って、ドルワフの女性は奥へと引っ込みました。待つこと暫し、気怠そうな顔をして何やらブツブツと呟きながら、一人のドルワフが姿を見せました。そしてそのドルワフがカリンの存在に気が付くと、胃のもたれがスッと治ったかの様にパアッと明るい表情になりました。


「おお! カリンの嬢ちゃんじゃのう! 元気だったかのう」


「いい加減嬢ちゃん呼ばわりは止めて欲しいのでち」


「何を言うとるんじゃのう。儂から見たらまだまだお子ちゃまじゃのう」


 ドルワフは七百年を生きられる長寿の民です。約四百歳アラフォーの彼から見れば、カリンは八十でも子供なのです。


「それで今日は何しに来たんじゃのう」


「落盤事故があったって聞いたでちよ。手伝いに来たでち」


「おお、それはありがたいんじゃのう。しかしじゃのう、もうすぐ救出は完了しそうじゃのう」


 マギムネの話によれば、近くの坑道から事故現場の坑道へ通じる通路を掘っているのだそうです。


「そうでちか。じゃあ、わたち達は何もしなくて良さそうでちね」


 あとは採掘師プロに任せておいた方が良いと、カリンは判断しました。


「折角来たんでちから、買い物でもしていくでちよ」


「おお、ゆっくり見て回ると良いじゃのう」


 救出目前とあって一同に安堵のため息が漏れました。結局は徒労に終わったようです。けれども、次にドアを開けた者によってその空気も緊迫したものに変わりました。


「親方!」


 空から女の子が! と、言いたげに、若手のドルワフが駆け込んできたのです。


「んん、どうしたんじゃのう?」


「駄目ですローズデライト鉱脈で塞がれていて、事故現場の坑道までは辿り着けません」


「むむむ。それは困ったじゃのう」


 マギムネは、たいして困ってなさそうな口調で言いました。


「では、別な場所から掘り進んでは如何ですか?」


 エリザ王女はそう言いますが、マギムネはあまり良い顔をしませんでした。


「人間のお嬢ちゃん。儂らはモグラでは無いんじゃのう。それに、事故現場周辺にはローズデライト鉱脈があるようじゃのう、儂らでも穴を開けるのには一週間は掛かるじゃのう」


 一週間と聞いて一同に暗い影が過りました。もしも、けが人が居た場合、助からないかもしれません。


「他に道は無いのでちか?」


「あるにはあるじゃのう。しかし、深い峡谷になっておって儂らも危険なんじゃのう。おい、地図を持ってくるんじゃのう」


 マギムネは若手のドルワフに地図を持ってこさせると、床の上にバッと広げました。それによると、上層階から事故現場の坑道へは約二百ルメト下がるようです。


「ミュウ。ドルワフを抱えて飛ぶ事は可能でちか?」


 カリンはロディとの戦いで、ミュウが空を舞った事を覚えていました。


「出来なくは無いですが……」


「怪我人優先で運んでくれれば良いでちよ」


「カリンよお、飛ぶとはどういう事なのじゃのう」


 マギムネは疑問に首を四十五度傾けます。カリンはどうしたものかと一考しますが、ここは素直に話す事にしました。


「このミュウは、エンシェントドラゴンなんでちよ」


「なんとそうなんじゃのう」


 マギムネは、たいして驚いていなさそうな口調で大層驚いていました。そして、ミュウの事をジロジロ見つめ始めました。対してミュウは平静を装って視姦に耐えています。


「ミュウさんといったか。お前さんどっち派なんじゃのう」


 龍王派味方古龍帝派かマギムネはそう聞いているのです。どうやらこのドルワフは、歴史に埋もれてしまったドラゴンの存在を知っているようでした。


「決まっているじゃないか……」


 一同はミュウがどっち派なのかは予め聞いていますので、神側のドラゴンであるミュウに不審を抱いてはいません。ですが、次のミュウの一言で、お店のマスター以外の表情が曇ります。


「寝るときは着けない派だ」


「何言ってるのですか?」


 エリザ王女が即座に突っ込みます。ミュウはエンシェントドラゴンですので、龍状態では基本裸なのです。人化した時も何時もの癖で裸で寝ています。そしてお店マスターは、そんなミュウのあられもない寝姿をモロに想像してしまい、少し腰を落としてバレないようにしています。


「なんだエロザ、お前は着けて寝るのか?」


「いえ、わたくしも着けな…………じゃなくて! 敵か味方かって聞いているのですわ」


「実は儂もすっぽんぽんじゃのう」


 そんなのはどうでも良い情報です。


「そんな事より急がなくて良いんですかぁ?」


 今まで退屈そうにしていたシルビアが言うと、皆の視線が一斉に注がれてビクリと一歩後ずさりしました。ちなみにシルビアは、垂れるのが嫌なので多少窮屈でも着けて寝る派なのでした。

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