第13話 探求III

「文系選択?!」

「あ……?ああ、あたりまえだろ

俺理系科目の成績めちゃくちゃ悪いし、文系科目はそこそこできるし……」


「もったいない!」


「何が……」

「レイの目は、世界を変えるわ

科学の世界だけじゃなく、この宇宙を……!

物理を……力学を……学びましょう……」


「そんなこと言ったって、担任が許さねぇよ

俺もそこまで理系科目に執着ないし」


「……そうよね」


「おう」


「ええ、あなたはあなたの興味を追及するべきだわ

私が干渉することでは無かった、ごめんなさい」


「……ミオは、なんでそこまで俺の目に拘るんだ?」


西日は二人を優しく照らした。


「私ね、古典的の反対を、現代的とか、モダンとか答えるんじゃなくて、

量子的って答えちゃうような人と、結婚したいの」


「は?」


「つまり、私の人生のテーマなの、物理や化学は」


「壮大だった、思ってたより」


「レイ、いつか分かって

レイは世界中の科学者全員が一生をかけてでも見たい世界を、見られるってことを」


「だったらお前は、理学部とか、工学部を目指すのか……?」


「……そうね、でもそこで学べることは全部、そこに行かなくても学べるわ

学べないことは、レイのクオリアを共有する方法……」


ミオは、教室の扉を開けた。


「なら、医学部とかかしら」

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