第2話 理系の物理選択

練習試合にて勝利を納めた翌日、ミオは学校の屋上にレイを呼び出した。

風は強く、ミオのスカートは小刻みに揺らされた。


「バックカットなんて、よく返せたよねっ」


ミオは右足を軸に180°回転し、レイを仰いだ。


「その素敵な目のおかげで」


さらにミオは、レイに顔を近づけた。


「ねえ、レイ……

レイにしか見えない、その世界を、私にも見せてよ」


「?」


ミオは人差し指で自分の顔を指した。


「だから、高三からは私と同じ理系で、物理選択にしてよね」


その選択は、この世界の未来を大きく変えることとなる。

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