万物の理論と星の見る夢

setsu

第1章 探求

プロローグ 三千世界のどこかで

彼は、晴れた空に見える、宇宙の闇を右手で覆った。


天才って誰のことを言うのかな?


って聞かれたら、


ニュートンとか、アインシュタインとか


パッと思いつくのはこのあたり。



何か物が、多くの皆と違う見え方になる。



それが天才。


変わった共感覚が生じるとも言い換えられる。


たとえば……


聞こえた音に、色がついているように感じたり


文字に、色がついて見えたり


味に、形を感じたり。


それらもまとめて天才と呼ぶなら、


彼も天才と呼んで差し支えないだろう。


なぜなら……



「レイっ」


彼女は、右手を眺め続けるレイに、走って近づいた。

そして両手でレイの背中を押した。

レイは、彼女の両手に共感覚を見た。


「おはようっ

練習試合がんばろう!」

「……おう」



なぜなら、彼は、力が、向きと大きさ、つまりベクトルで目に見えるから



そしてこれは、すでに過去の物語である


これから彼自身による、彼が一次観測者になるまでの二人の、観測が始まる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る