第12話 母親を怒らせてはいけない

智亜美は前日の母親の隠していたお菓子を勝手に食べてしまったことで叱られ、母親と喧嘩をしてしまった。


買い物を頼まれたのだが、無視して部屋から出なかったのだ。


この行動が後に不幸をもたらせるとは智亜美は微塵も思っていなかった


その翌日、学校にて…


「はぁ~お腹すいたよぉ」


「早く授業終わらないかなぁ」


昼休みまではあと30分ぐらい授業時間が残っていた。


目が回りそうな智亜美である。


「おい智亜美!今の所はテストにでるぞ。聞いているのか?」


山岸が智亜美を注意した。


「へっ?チョコがお昼に出るの?」


どうしてそ~なった!!


「おい、この頭は食べ物のことしか入ってないんか?」


ペシペシペシ…


「いやぁ育ち盛りなもんでお腹がすいちゃって…てへへ」


ぐぅぅ~


その時、智亜美のお腹から空腹を知らせるアラームが鳴り響いた。


「ぎゃははははは」


クラス中が笑いに包まれる。


「はぁ~早く時間たたないかなぁ」


「あと5分だぁ」


チラチラと時計ばかりを見る智亜美であった。


キーンコーンカーンコーン


授業終了を知らせるチャイムが鳴り響く。


「やたーっお昼だぁ」


ウキウキしながらいつもの四人で集まりお弁当を持ち寄った。


「さぁ今日のお弁当は何かなぁ?」


胸をときめかせて智亜美はお弁当の蓋を開けた。


「ん?…目、目の錯覚かな?」


蓋を閉じてもう一度開けてみる。


「そ~れっ!」


目をパチクリとさせる智亜美


「ぎょええええ」


智亜美の目にお弁当の中身がもう一度映しだされる。


そこには、箱の中にどかんと一つ置かれた袋に入ったままのアンパンの姿があったのである。


あわあわと焦りながらもう一つの箱を開ける。


すると…


中には一通の手紙が入っていた。


「買い物行ってくれないから今日はこれだよ。僕の顔をお食べ♪」


手紙にはこう書かれていたのだ。


「あうあう…こんな所で仕返しされちゃったぁ」


涙目でアンパンにかぶりつく智亜美であったとさ。


ちーーん

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