第6話 算数って何?
ぺしぺしぺし
まるでハリセンのように手に持った長い定規で頭を突かれている智亜美の姿がそこにあった。
「智亜美~お前は真面目に進級するつもりがあるのか?」
「んん?聞いてんのか?」
担任の山岸が智亜美を職員室に呼び、説教中である。
「この成績だと夏休みは返上になるかもなぁ」
ぺしぺしぺし
「せんせぇ~それやめてよぉ」
智亜美の頬を膨らませた得意の表情で俯いていた顔をあげた。
「口答えするんじゃない」
ぺしぺしぺし
「智亜美よ~1度でいいから真面目に勉強を本気でやってみろ」
「お前はやれば出来る子だろ」
「先生はなぁ、お前のことを心配して言ってるんだぞ」
ぺしぺしぺし
「そんなこと言われても私やってこれなんだよぉ」
「そんなことはない」
「先生が断言してやる!お前はまだ本気をだしてない」
「九分九厘間違いない!」
先生はどや顔で胸を張っている。
「先生の目を節穴だと思うなよ」
「だめだ…この人自分の言葉に酔ってるよ」
「あの~せんせ…」
「なんだ?」
「非常に言いにくいのですがその~」
「九分九厘間違いないってことは残りの九割一厘は間違ってるってことじゃ…」
ぺしぺしぺ…
山岸の手は止まり、顔を赤らめながらワナワナと震えはじめた。
「ち、智亜美~!お前は人の揚げ足ばかり取って℃♂∞♀%」
こうして補修が確定した智亜美であった。
ちーーん
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます