第4話 女はスタイルじゃない!
今日も平和?な仲良し四人組が机を囲んでいた。
「もうすぐ夏休みだね~」
「うんうん」
「皆で海にいこーよ」
智亜美はピクンと反応した。
「海っ!夏のロマンスだね」
「美女の水着姿に爽やかなイケメンがほおっておいてくれないだろうねー」
「もぅ智亜美は何昼間から夢見てんのよ」
「今日は暑いからか?」
友達は智亜美に鋭く突っ込みを入れる。
まるで打ち合わせしたかのように良いタイミングだ。
「ぇー意味わかんないんだけどー」
智亜美は口先を尖らせていた。
「だって智亜美は高校生なのに、どうみても17歳児じゃない」
「ムキー!子供じゃないわっ」
三人からは笑い声が聞こえていた。
「私だって、頑張ればセクシーになれるもん」
頬を膨らませて怒る姿は、残念ながらお子ちゃまであった。
「まぁ世の中には特別な需要もあるしねっ」
フォローになりきらないフォローが入る。
智亜美は立ち上がり、モデルのようなポーズで喋り始めた。
「ほら見て、このぱっちりお目目。そしてこの唇」
「ぷるるんっとして美味しそうでしょ?そして…」
そう言いかけた時であった。
琴音がメガネをキラリと輝かせて割り込んでくる。
「あとはこの引き締まったバスト」
「そしてふくよかなウエストにまぁるいヒップ」
机を囲んでいた四人はうんうんと頷く。
「はっ!!」
「頷いてる場合じゃねええ」
智亜美は言葉をもう一度思い出していた。
「………」
「あの…皆さん?」
「それ何かおかしくないかい?」
ニヤニヤと智亜美を見つめる三人の姿がそこにあった。
「うわ~ん。皆きらいだ~」
智亜美はそう言って揺れないお胸で飛び出した。
バストとウエストを入れ換えると恐ろしいのであった。
ちーーん
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