ネタ物
四つ目
ロボ物
俺の名前はロボ・スキダヨ。
ロボがこの上なく好きなどこにでもいる中年男性さ。
今日も今日とてロボの事を妄想し、何時か選ばれしパイロットになる事を望んでいる。
「は~、人生クソゲーだわ~」
そんな呟きを漏らしながら人生を謳歌している俺だが、まだ人生を諦めていない。
きっと空からスーパーロボットが降って来て可愛いヒロインが「早く乗って!」とか言ってくれるに違いない。
「・・・てっ、あれ、何か、振って、来てる?」
空から何かが落ちて来る。
最初はのんびり眺めていたが、明らかにこちらに向かって来ている事が解った。
「や、やべえ!」
全力でその場から逃げようと走るが、どう考えても逃げきれない速度と大きさだ。
それでもあきらめずに走り、そこで俺の記憶は途切れた。
目が覚めた時は俺の視点は何かがおかしかった。
何故か背後迄見える。なのに体が動かない。
驚いて声を出そうとしたら、声も出なかった。一体どういう事だろう。
「気ガ付イタカ」
その声に視線を向ける必要も無く、何故か強制的に意識がそちらに向いた。
そこには冒涜的としか言いようのない化け物が立っており、俺の事をのぞき込んでいる。
「試作品ノ試験ノ為ニ、オ前ノ脳使ッタ。誉ニ思エ」
一体何を言っているのか解らない。脳を繋いだ?
試験の為? そもそもこの化け物は一体何なんだ。
「オ前ノ脳、コノ機械ト相性ガ良い。良カッタナ」
そう言われると同時に、ぶうんと音がして体を動かせる様な感覚を覚えた。
その感覚に従い動かしてみると、自分の手が機械になっている。
というか、全身がロボになっている。種類的にはリアルロボットタイプ。
「試験済ンダラ破棄スル予定ダカラ、今ノ内ニ楽シンデオケ」
は、なにそれ、ちょっと待って。破棄って俺捨てられるの?
ああいや待て待て、タダ放逐されるだけならまだ何かチャンスが――――。
「アノプレス機デスクラップニスル。痛ミハ感ジナイカラ、安心シロ」
救いは無かった。
いやだああああああ! しにたくねえええええ!
いやこの状況も生きてるのかどうか解らねえけど!
俺が今の状況に嘆いているその時、何処かで爆発音が鳴った。
「侵入者ダ!今ス――――」
慌てた様に入って来た化け物が爆発と共に吹き飛ぶ。
そこにゆっくりと、カツカツとヒールの音を鳴らしながら入って来る者が居た。
「ふん、何か作ってると思ったら、下らないわね」
その人物は俺を見て、鼻で笑う様に言った。
高い身長。長く綺麗な金髪。高い花。とても大きい胸。
そして立派な顎ひげを蓄えた、ハイレグの様な何かを着た巨男だった。
そしてその男が何か武器の様な物を俺に向けて構え、俺は爆発四散した。
こうして、俺のロボ人生は終わりを告げた。
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