隙間
隙間に潜むは
黒い夜
佇む気配は
まるで影
手招きをするのは
美しい指先
真っ赤な爪は 林檎のよう
「美味しいのよ」と誘う唇
蜘蛛の糸に導かれ
僕は羽根を毟られる
どうせ食われるなら細胞まで
ひとつ残らず君に捧げたい
そんな夜なんだ
隙間に潜むは
ネオンカラー
佇む気配が
染まる色
手ぐすね引くのは
美しい虹彩
真っ黒な睫毛 羽毛のよう
「柔らかいのよ」と誘う唇
蜘蛛の糸に絡まって
僕は足を千切られる
どうせ食われるなら血液まで
ひとつ残らず君に貢ぎたい
そんな夜なんだ
手招きをするのは
美しい満月
真っ白な素肌 陶器のよう
「狂わせたのは月光だ」
蜘蛛の糸に囚われた
僕は死を待つ抜け殻
どうせ食うのならば何も残すな
残骸なんて残してくれるな
そんな夜なのに
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