ある夜

零れた星屑が光る

雲の切れ間に瞬く


それは 矢のように鋭く

あの子を突き刺して

裏側に通過した


「君は誰だい?」


幻想だとか幻覚だとか

誰かがそう言ったけれど

きっと間違っている

あれは確かに 生きていた


途切れたサイレンが光る

闇の静寂に響く


それは 熱のように熱く

あの子を溶かして

アスファルトと混ざった


「君は誰だい?」


現実なのか夢だったのか

本当は分かっていないんだ

きっと間違っている

僕は確かに 死んだんだ


ある夜の出来事

あの夜の出来事

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