第11話 竜の家族! (3)

 またそれが今なのです!


 だから働き手のない、わたくし達女性ばかりの家族は、お父様残り少ない遺産を大事に使用しないと本当に大変な事になってしまうから。

 長女のわたくしは節約をする事もなく、浪費を続ける二人の様子を指を咥え見続け、放置をし続ける訳にはいかない。



「お母様?

「……ん? 何ですか、レビィア?」

「お母様は今から城下の町へと買い物へと行かれると申されていますが。お父様が残してくれた財宝の貯えの方も残り僅かの状態で御座います。だから私達家族は今後の事を考えると。お父様の残してくれた財宝を余り商人へと売り、無駄遣いをしない方が得策なのではないのではないでしょうか?」


 だからわたくしはお母様が町へと行かれ、財宝を亜人の商人と会い売るのは反対だと諫めるのだが。

 わたくしのリムやお母様への諫めは、ここつい最近は毎日のようにおこなわれているのだ。


 それでもわたくしのお母様は妹のリムが可愛いのと。

 その他にも町へと出掛けたい理由があるのか?


「えっ! あああ……。レビィア、そのことならば大丈夫ですよ……。母が知人にお願いして食事の方は何とかしますから心配しないでレビィア……。貴女もリムと一緒にお城で大人しく母のことを待っていてくださいね……」


 お母様はまた今日もわたくしへと地下の財宝にはもう手を付けないから心配しないでと優しく微笑みながら告げてくる。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る