毒の庭
世に流れるドラマが幻想と思うように
世に流れた事情が空想と思えたように
手元にある現実が普通だと信じ込む
手元にあった現実が普通でないと知った時
世からずれているのは他人事であり
世から見捨てられるのは物語であり
手元にあったものが事実でないと知った
ドラマのような世界はあるのだと知った
それは人を殺すには簡単な作業であった
幻想と空想が嘘だと思い知った瞬間
現実が普通でないと知らされた時
この世が本物ではなく事実ではない世界であると知った時
僕は死んだ
死は幸福である
ここは毒の庭、すでに根は血管を巡り尽くし
骨は砕けた
名は忘れた
除草剤を撒いても身体の皮膚を破り芽吹く
綺麗な花は毒の香りがしていた
これでは夢は追えない
感情と理屈が先行しているくせに
足元は動かず、遠く遠く気持ちだけが躍起を起こし
理解はできている、だから僕はまだ終えない
だから、そう名前を捨てておわらせない
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます