徒然なる日々には奇妙が満ちる

古町小梅

さよなら世の中、何かが起こる

−人は死ぬ瞬間に“走馬灯”というのを見るらしい。


今までの人生が全て思い返される。


保育園の先生優しかったなあ。

小学生の時のあの激しい腹痛、なかなかトイレに行きたいって言い出せなくて辛かったな。

中学で好きだった子、今は何とも思ってないけど元気かな。


高校生、一昨日入学したばっかりだから何の思い出もないや。


学校の窓から落下しながら思い出が頭の中を駆け巡る。

けれど視界は何となくゆっくりと、景色がスローモーションに見えていた。


地面はコンクリート。頭から落ちて行ってるし、3階からだったし間違いなく助からない。

きっと今ここで俺が目を瞑れば終わりか。


もう少し生きていれば、所謂“輝かしい未来”というのは手に入れられたのだろうか。

いやまず、父さんと母さんに誰か今までの感謝とか諸々伝えておいてくれ。


では、達者で。




あんちゃん避けえ〜!!!」




避けれるかあ!!!





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