第3話
「ふぁぁぁあ。ねみー昨日も遅くまでバイトで疲れたなぁ」
と、嘆息をもらしながら学校に向かう学生と
発展しすぎた街──
人工の空──
最適体感温度──
そう。この火星国家は名前の通り火星にある国である。地球の全ての技術を凝縮させたこの国はありとあらゆるものが人工物である。
正直言って──
めっちゃ住み心地がいい──
「でも、これはないなぁ⋯⋯」
自分には少しばかり、いや結構似合っていないこの特攻隊の長官が着ていそうな制服に不満を覚える。政宗は絶賛登校中である。
「あ!まーくんだ!!おっはよー 」
駆け足で登校してくる自分の制服に似た格好の美少女が話しかけてきた
「なんだ、詩苑か。物珍しいそうにどうした? 」
「だって、まーくんが学校に行ってるんだもん!何日ぶりだろー」
ニマニマと満足顔を向けてくるこの可愛い女の子は何を隠そうこいつは俺の自慢の幼馴染の欅詩苑だ。
全国(火星)模試では10年連続の首席さらにスポーツ万能、美人でみんなからの憧れの的ようするに超優等生なのだ。
彼女とは地球にいる時から家が近く詩苑とは3年前に一緒ここに来てからは、同寮になった。残念なことにいくら幼馴染でも同室とはならなかった──
「そういえばそんくらい経つんかなあ、
そう、あれだ⋯⋯ん?なんだっけ⋯⋯あっもいいや」
「だから地球に帰ってたんでしょ?
宇宙船乗りすぎてまたバカになったちゃった?」
このニッコリと見慣れた笑顔を向けてくれる
「かもな」
と、考えなしにそう答える
「全く。バカでも務まるほど"十大子"は甘くないよ」
でた、
詩苑の十大子についての熱弁タイム──
「 コホン。それでは説明しよう
──十大子とは
それはこの火星国家の9割以上が超能力者になったここで評価された能力別ランクがあり、
そのランクは下からB1~S3まである。
クラス(別名) 危険範囲(半径) 能力影響程度
S3(SQT) 200km以上 大型隕石
S2(SD) 50km以上 水素爆弾
S1(FTW) 2km以上 原子爆弾
A1,A2,A3 20m程度 燃料気化爆弾
B1,B2,B3 5m程度 手榴弾
SQT・・・神凌駕レベル
SD・・・国家破壊レベル
FTW・・・戦争勃発要因レベル
*能力影響力から想定される事柄を簡略化
そして、最高ランカーのエスキュートである
10名が十大子と呼ばれているだよ
そんでもって頂点に君臨するのがまーくんこと佐々木政宗君なんだよ──」
小学生でもわかるほど丁寧な説明をしてくれた。
やはり彼女は秀才である。
「ってもよー地球じゃ、お偉いさんの前で弁論しただけだぜ?それも規定の原稿読むだけだし
まぁ俺自身、その十大子の第1席っていう実感がまだねんだよなぁ」
「そんな、すぐに扱いが変わるわけ⋯⋯」
詩苑の頭にめがけて鋭い銃弾が飛んで来た——
フウゥゥゥゥッン
全てが静寂に包まれた。
それは静かすぎて恐怖すら覚える。
これは何度やっても慣れない
世界全ての時間が止まったのである──
あの銃弾も詩苑の頭に当たる直前で完全に停止した
「全く朝っぱらから物騒だなぁ。ふぅん18ミリ弾ってところか。仕留めにきてるな」
と吐露していたが今のこの異常事態に冷静であった。そして政宗は当たりそうな銃弾の向きを変えた
「 ったく、主のとこへ帰んな! 」
シュゥゥッン
あの静寂と引き換えに日常的な騒々しさがが戻ってきたと、同時にドーンという音が200メートル先の高層ビルでなった。
さっきの銃弾は詩苑に当たらず元の主のもとにとんぼ返りしたということである、
さぞ狙撃手は驚いたことであろう。
「わーあのビルら辺ですごい音がしてるね 」
先程死にかけた人間の感想ではないほど他人事である。
「そーだな。でもこんなの日常茶飯事だろ。」
と呆れた顔で答える
「それもそうだね。」
なれというものは本当に恐ろしいものだこの非現実的な世界に慣れてしまっている自分がいる──
言い忘れていたが、これが十大子 第一席の
佐々木政宗の超能力
『
この能力は、ありとあらゆる時空間を思うがままにできるというやつだ
「理屈なんてクソくらいだ──」
まさにその通りである理屈もなければ理論もへったくれもない。
今の人類にこの力を科学的に証明することなど不可能である。あの黒尽くめの男を抜いては。
火星に移住までも可能とした世界にもかかわらずこんな超非科学的な能力が混在する。これは謎とかそんなレベルじゃなくて混沌カオスだな
今もなお、この能力を解明すべく実験が行われている
十大子一席の能力『 時空間』のできることといえば
時間を止める
時間を戻す
時間の流れ変える
空間を歪める
その他諸々であるである。
そうこれは日常茶飯事
俺ら十大子は日々その存在をよく思わない人たちから十大子の座と命を狙われいる
「そんで今日は、俺を殺すことができないと踏んで詩苑をか⋯⋯(ほんと詩苑が俺と学校に行ってなきゃ大事故が起こったぜ、ちゃんと詩苑の能力を計算に入れとけ) 」
と狙撃手に向かって少し落胆する
そして、俺が詩苑と学校に行っているのはもう1つある。彼女はS1級能力者であるからだ。しかもその能力は超音波エコーである。
「お前の能力もはよく暴走するから恐ろしいんだよ。
もっとしっかりコントロールしろよな」
詩苑はまだ制御しきれてない、そこの辺は完璧少女だが人間味があるって感じがする。
「がんばるよ。まーくんも宿題やったの?」
学生らしい質問だだがもちろん答えは
「全く手をつけておりません。」
「今回は見せないよ」
俺はよく詩苑の宿題を見せてもらっていた。
「おう。もうなんか諦めがついた」
「またせんせーに怒られるよ」
うちのクラスのせんせーは色々と面倒なのだ。
「それも含めて朝から能力使う羽目になるなんて憂鬱だなぁ」
とため息混じりに俺はそう言った。
「どんまいどんまい。いいことあるよ⋯⋯あっでも、今日乙女座最下位だったね」
モチベーションが下がる。
「もーう。すぐそういうこと言ってとどめ刺す。
結構俺そういうのきにするだよぉ。」
全く迷惑な話だ──
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