たった一人、彼女が出来ればいい

アレクさん

恋愛編

プロローグ

 学校の帰り道、横には可愛い彼女が歩いている。会話はない。

 でもこれは決して、世のカップルが言う、心地よい沈黙ではない。ただただ、何をしゃべればいいのか分からない、気まずい沈黙だ。


 初彼女が出来るまで時間のかかった方は分かってくれるのではないだろうか。

 今まで仲が良かったのに、付き合い始めてから、恋愛経験がないが故にどのように接すればいいか分からなくなり、ギクシャクしてしまうことが。

 でも、決して仲が悪くなるわけではない。へたくそなりにも、お付き合いを続けて、仲良くなっていく。


 しかし俺は、恋愛がうまくならなかった。

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