この顔にピンと来たら助けてくれ。
窓雨太郎(マドアメタロウ)
第1話 いつも通り
まずは自己紹介から始めればいいか。
俺は
こんな俺でも良ければ付き合ってくれ。男でも女でも歓迎だ!
......すみません。調子のりました。許して下さい。
まぁ、話を戻そう。
この物語は俺の日常を描いた物語だ。人の人生に興味ないって奴は帰っていいぞ。
俺の朝は親に起こされて始まる。
十分で飯を食い、制服に着替えてラインの通知を確認する。それが俺のいつも通りの朝だ。
そしていつも通り自転車で二十分かけて学校に行く。
何にもない、いつも通りの田園風景の中を一人で。いつも通り。
学校についた俺は読書をする。読んでるのは勿論ラノベ。ラノベ以外も読むが、ラノベが一番読みやすい。
しかし、読書はいつも通りではない。
「大地! またあの歌歌ってくれよ!」
こんな風にめんどくさい要求をされる。これがいつも通りだ。
「いいよ。歌ってる途中でどっか行くのはやめてね。」
「そんな事しねぇよ」
友達の要求を受け、俺は動画サイトで見た替え歌を歌い出す。
その歌声は教室中に響き、全員の視線が俺の方に向く。
俺の歌に合わせて手拍子する者もいれば、ハモってくる奴もいる。
これがいつも通りだ。
......正直言って、恥ずかしい。
恥ずかしくないわけない。全員の視線を集めて。普通恥ずかしい。
「大地ってやっぱり面白いね」
「こんな事普通にできるって、流石大地だね」
こう言ったお褒めの言葉を聞くこともあれば、
「大地なんなの。マジでウザイ」
「調子のんなやカス」
こうして罵倒される事もある。
実際のところ、こんな事したくない。しかし俺はやらなきゃいけないんだ。
やめたい。でもやめられない。やめてはいけない。
理由だってある。
一つは、みんなに「今沢大地はこういう馬鹿な男」だというイメージがついている事。
以前大人しく生活したことがあったが、周りに風邪だと疑われた。
一度ついたイメージはそう簡単に離れる物ではないのだ。
もう一つは、これがいつも通りだからだ。
歌う馬鹿とそれを眺める周り。そのいつも通りが、俺が歌わないだけで壊れるなら俺は嫌われ者で構わない。
そんな異常な俺が、このクラスでは正常なんだから。
それが、いつも通りなんだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます