不思議の国と君と僕 EP0

雛寺玄

独白

「すみません」



 届かない謝罪の言葉を紡ぎながら、私は新しい『アリス』を探して呼び込んでいく。新しいゲームを始めるために、淡々と、機械的に。


 せめてこんなことに巻き込まれるのだから、『アリス』には幸せになってもらいたい。私には出来ないが、きっと彼らなら『アリス』を満たしてあげられるはずだ。



 ──例えそれが、偽りの幸せであったとしても。

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