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ふふふ、と両端に引き締まる赤い紅が、悪さと美しさを際立てている。なんて、こんな魔女みたいに微笑んでいるけれど、本当は嬉しくて仕方ないのだろう。
目の奥が乙女のように澄んでいるもの。
「恋人でもないし、遠慮してイブイブに約束をしていたのに、イブに浩太郎と会えるなんてラッキーよね」
「そうですね」
こういう時、何て言うんだっけ? 地獄で仏? 終わり良ければすべて良し? 余りものには福がある? なんてね。
「ふふ」
蘭子さんに素敵なクリスマスプレゼントが贈られたみたいで良かった。
「オリーブ、おいし」
「ありがとうございます」
「私、好きなものは最後に食べるタイプなんだよね」
なるほどね。早く最後が来ればいいのに。
ニッと笑った蘭子さんに、どうか幸多からんことを祈って。
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