サン

また隣町。ここは昔おばあちゃんが住んでいた家。今は誰もいなくて、電気もガスも通ってないけど、井戸はさっき見たらまだ綺麗な水が溜まっていたから問題ないだろう。数日くらいなら、ここで過ごせるはずだ。

なんだか、疲れてしまった。少し、少し眠ろう。



『○○。ご飯は冷蔵庫にあるからチンして食べてね』


『わかった。』

(またか…また、□□か…)

(そりゃそうか。□□のが勉強できるし、いい子だし、わたしなんて)


『いってらっしゃい』





お母さんも□□のところへ行けて良かったんじゃないだろうか。お母さんは、□□の方が大好きだったから。わたしなんかより。

もう涙は枯れた。私から昨日のような感情は消えた。



まるで、違う人になったみたい。









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