ニ
気がつくと朝になっていて、私はそう遠くない隣町まできていた。今は何時だろうか。早く家に帰らなきゃ、と思う前に足が動いていた。歩いて1時間はかかる距離だが、たくさん走ったのでそんなにはかからなかった。家に帰ると、数台のパトカーと人の群れで家には近づかなかった。
たくさんの人が話している。
最近は物騒でやあねぇ。
本当にねぇ、ウチも気をつけなくちゃ。
そうそう。会社行く途中で人だかりできててさあ、まだ会社に着きそうにないんだ。
亡くなってしまった人、まだ他殺か自殺かもわかっていないんだって。
お母さんが…死んでいた。
わたしは無我夢中で走った。涙が止まらない。たくさんの人にぶつかった。たくさんの人がわたしを見ていた。けど、そんなの構わなかった。
わたしはどこへ行くのだろう。
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