気がつくと朝になっていて、私はそう遠くない隣町まできていた。今は何時だろうか。早く家に帰らなきゃ、と思う前に足が動いていた。歩いて1時間はかかる距離だが、たくさん走ったのでそんなにはかからなかった。家に帰ると、数台のパトカーと人の群れで家には近づかなかった。


たくさんの人が話している。


最近は物騒でやあねぇ。


本当にねぇ、ウチも気をつけなくちゃ。


そうそう。会社行く途中で人だかりできててさあ、まだ会社に着きそうにないんだ。


亡くなってしまった人、まだ他殺か自殺かもわかっていないんだって。





お母さんが…死んでいた。




わたしは無我夢中で走った。涙が止まらない。たくさんの人にぶつかった。たくさんの人がわたしを見ていた。けど、そんなの構わなかった。



わたしはどこへ行くのだろう。







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