無題
いくま
イチ
『わたしは一人で大丈夫だから、行ってあげて?』
『ごめんね。○○ちゃんは本当にいい子で助かるわ。』
『ううん。いってらっしゃい。』
いい子ね、助かるわ、って言われるだけで、認められた気がした。でも何か、何かが足りない気がする。
中学二年生、何回目かのひとりぼっちの誕生日が過ぎた24時9分、お母さんが帰ってきた。
『お母さん見て!テストで90点取ったの!』
(…褒めて欲しかった)
『もっと頑張りなさい。□□はいつも100点だったわ。』
(……。)
『そうだよね!私もっと頑張る!』
でも、わたしが最後に見た景色は、荒れた部屋、ぐちゃぐちゃになったケーキの向かい側に倒れているお母さん。そして、ケーキ上のマジパンの女の子が二つに割れて、こっちを見ていた。
『昨夜未明、△△県△△市の一軒家にて、女性の遺体が発見されました。死因は毒死。また、被害者の娘(14歳)が行方不明となっています。なお、警察は…
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