第2話幸せになれますか?

ある荒れた街 1人の少年が歩いてゆく


ボロの上着をまとい、目だけがギラギラと光り輝く少年


(eyes)それがやたらと頭に焼き付く印象的な少年だった


少年に旅する理由は無かった


ただ1つ「幸せ」と言う疑問が頭に刻み込まれていた


どこから来たのか小さな女の子が目の前にいた


目が合った  キラキラ光る大きな目


少女はにっこりと微笑んだ


わ‥笑った・・少年は何かを感じた


少女の微笑みの中に


少女がパッと駆け出す  ハッとすると


少女は道に咲いていた1本の野バラを小さな可愛い手で・・・折った


少年は目の前が真っ暗になった


何も見えない


暗い暗い闇の底へ落ちた気がした


ふと我に返ると倒れている少年の傍に少女が立って


笑いながらバラの花びらを1枚ずつ可愛い手でちぎり


ハラハラと少年の上に落として行く


「キレイでしょ?」とクスクス笑う少女に


少年は恐れを覚えた


・・・・・・・

少年は歩き出す


クスクスと背中にあの少女の笑い声が聞こえる気がする


「幸せになれますか?」


少年は誰にでもなく問いかける


少年の肩からバラの花びらが1枚舞い落ちた


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