水色の恋51最終 翌日尚子をともなって高知県警に顔を出すと、塚田刑事が出迎え、応接室に案内したのです、睡眠薬の件を話すと、そうですか、それでつじつまが合いました、


水色の恋51最終


翌日尚子をともなって高知県警に顔を出すと、塚田刑事が出迎え、応接室に案内したのです、睡眠薬の件を話すと、そうですか、それでつじつまが合いました、

後は営業所長の黒川を締め上げれば自供するでしょう、尚子さんは別段罪にはなりませんが、睡眠薬を入れた経過の調書はとりますと係官を呼んだのです、


塚田が大阪地検の主席検事がよく、伊予銀行の内幕を教えてくれましたねと感心していると、前回の上からの圧力のやましさがあるので教えてくれたのでしょう、

佐藤は管轄が高知なので高知県警に護送して取り調べています、彼は自分が殺したと思っていますよ、黒川は見ていただけだと言いはっていますが今から締め上げ、

てみますと塚田は部屋を出ていったのです、


取調室に入り、黒川に佐藤が現場を離れた後、海に浮いていた二人を引き上げ、死んでいるのを確認後再び海に沈めたのは君だろうと言うと、私がみた時はすでに、

死んでいたので、そのまま海に入れたのです、ですから私が殺したのではありません、


しかし佐藤が沈めた二人がなぜ小型のボートに乗っていたのかは分かりませんが、ともかく、二人はぐったりしてピクリとも動かなかったのですよと言ったのです、

それでは小型のボートにぐったりして乗っていた二人をみつけ、死んでいると思い、海に沈めたのに間違いないのだねと聞くと、その通りです、間違いありません、

と答えたのです、


残念ながら二人はまだ死んではいなかったのだよ、睡眠薬で眠っていただけだよ、それを知っていて殺す為に、海に投げ込んだだろうと聞くと、睡眠薬を飲ませた、

のは私ではありませんよと言うので、誰か知っているのかと聞くと、知りません、


ともかく、最後に海に投げ込んだのは私です、しかし、その時は死んでいましたと言い張ったのです、塚田は応接室に戻って来て、このままいけば、佐藤は殺人未遂、

黒川は過失致死、となると言い、もう少し調べます、金沢の事件は、佐藤と下山の秘書は殺人未遂、下山は殺人未遂教唆となりますが、いずれも本人達の自供が、

きめてとなりますと話したのです、


特捜部の裏づけ捜査で、当時の国土交通大臣の秘書、幹事長であった、下山の秘書の現金受け渡しの事実が証明されたので逮捕され、本格的な捜査に入ったのです、

その他、大勢の政治家秘書、役人が事情聴取をうける事になり、大疑獄事件に発展したのです、検察庁長官の山崎は金品の授受をみとめ即刻辞任したのです、


尚子の調書作成も終わり一息ついていると、塚田が戻って来て、ゆうこさん本当にありがとう、あなたの言とおり、あの時点で上に上げていれば、握り潰されて、

いたかも知れません、まつたく情けない事です、大学を出たら是非検事か警察官になってください、今回の事件は私をはじめ、多くの警察官の戒めになったと、

思いますと握手をしたのです、


最後に塚田に佐藤に面会できるか聞くと、本来なら許可できないのですが、今許可を取ってきますと奥に行き、本部長へ話すと、今回の功労者だから仕方ないだろう、

と許可したのです、取調べ室に入ると佐藤がニコニコ笑い、前に座ると塚田が記録員に筆を置き部屋をでるよう促した、


佐藤が私が殺したと思ったのに、黒川が最後に手を下した犯人と聞いて驚いているよ、しかし私が殺したのもおんなじだ、貴方には申し訳ない事をしてしまった、

どこから、私の人生が狂ってしまったのかとため息をついた、まだやり直せますよ、下山もそれに早く気ずいてくればいいのですがといったのです、


高知県警を出て尚子に私はこれから、茂さんと、幸子に報告に行きます、松山まで一緒に帰りましょうというと、出来ればもう一泊私の家に泊まってもらうわけ、

にはいかないと尚子がいうので、そうですね、あの露天風呂もう一度に入りたいですというと、良かった、ありがとうとゆうこの手を握りしめたのです、


高知から特急にのり松山に向かったのです、松山駅からタクシーで尚子の屋敷に行くと、小山田が出迎え、今日ゆうこさんにお泊り頂くと聞いて待ってたいた、

んですよと言ったのです、ゆうこが尚子さんの恋人に報告に行きましょうと言うと、そうだと思って用意しておいたんですよと、小山田がリックサクックを渡し、


二人で裏山に上っていくと、あのリスが尚子の肩に乗っかって、大きな目をしてゆうこをみています、あらくーちゃん、と挨拶するとピョンと飛びはねゆうこの、

肩に乗ってきたのです、頂上に出て尚子が傍の小さな石に酒をふりかけ、徹さん、これで全ての呪縛から、ゆうこさんのおかげで解放されたのよ、と手を合わせた、

のです、


二人でおにぎりを食べ、周りの景色を楽しんでいると、尚子がいままでこんなに回りの景色が素晴らしく見えた事はなかったわ、これもゆうこさんのおかげねと、

言うので、ゆうこがお大師様のおかげですよと言ったのです、山を降り、温泉にたっぷり浸かり、ダイニングルームに行くと、沢山のご馳走が並んでいます、


尚子が今日はゆうこさんの好きな肉料理ですよ、あんまり食べ過ぎると牛になりますよと笑ったのです、定信も帰って来て、日本酒でカンパイしたのです、

二人とも憑物が取れたみたいで、昨日とはうって変わった表情をしていたのです、


定信が今日高松物産、高松建設の社長を初め幹部連中と国土交通省の役人が贈収賄で逮捕され、斉藤、下山、両代議士が事情聴取を受け、二人の議員の逮捕はまじか、

だとマスコミが言っており、総理大臣が二人に党を離れるよう勧告した事を話したのです、


翌日茂と幸子の両親に一連の事を報告し、線香をたむけたのです、幸子の両親は喜んで、これで浮かばれます、ゆうこさんありがとうと手を硬く握ったのです、

大阪に帰り純一の様子を聞くと、病院に入院したとの事である、見舞いに行くと、付き添いの人がゆうこさんですね、純一の母親ですと挨拶したのです、


ゆうこです始めましてと挨拶すると、入院してから貴方の事をず~と話していたんですよ、純一を宜しくお願いしますと言ったのです、一連の事を純一に話すと、

そうかあ~、それは良かった、ゆうこちゃんが頑張ったおかげだねと言うので、純一さんのおかげだよ、早く良くなってと手を握ったのです、


お母さんが廊下にさそうので出ると、離れた場所へ連れて行き、実は本人はまだ知らないだけど、すい臓ガンらしく、検査を受けないとわからないけど、今の状況、

だと半年もつかどうからしいのと涙ぐむので、ビックリして目の前が真っ白になってしまったのですが、大丈夫ですよ、必ず治りますとお母さんの手を強く握った、

のです、


病室に戻り、本人な気ずかれないように、四国の出来事を話し、精一杯笑顔を取り繕い、純一が疲れた顔をしたので、また明日くるねと言って病院を出たのです、

それから毎日病院へ見舞いに行ったのですが、段々元気がなくなり、しまいには話す事も出来なくなっていったのでした、


そして3か月後に、ゆうこの手を握りありがとう、楽しかったよと、いう言葉を最後に天国に旅立ってしまったのです、ゆうこは何も手につかなくなり、しばらく、

呆然としていたのですが、気を取り直し、大学を卒業すると、夢である歌の道を成功させようと東京に出たのです、


その人がそこの丘に眠っているの、ここに来て分かったわ、めげないで頑張れと純一さんが言っているのよ、明日東京に戻ってもう一度、出直すよと健治に言うと、

そうだね、僕も帰るよ、一緒に頑張ろうと手を握り、翌日吹っ切れた二人は東京にもどったのです、


・・・完・・・

 

長い間ご愛読ありがとうございました、次にゆうこはどんな事に出会うのでしょうか、夢である歌手になる事が出来ればいいのですが、次回作をご期待ください、















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水色の恋 村上俊介 @muratomi

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