水色の恋48 翌日大阪地検特捜部は先の高松物産、贈収賄の再捜査を、高知県警は茂と幸子の心中事件を、殺人事件として再捜査する事を発表したのです、大阪地検は記者会見、


水色の恋48


翌日大阪地検特捜部は先の高松物産、贈収賄の再捜査を、高知県警は茂と幸子の心中事件を、殺人事件として再捜査する事を発表したのです、大阪地検は記者会見、

を開き、新しい証拠が出てきたと発表した、記者が内容を尋ねると、裏献金リストであり、リストには大勢の名前があるが、現在捜査中の為と公開を拒否したのです、


高知県警では塚田を東京に派遣して佐藤と下山の秘書を警視庁の協力をえて調べる事となったのです、さつそく塚田は東京に飛び、警視庁の刑事をともなって、

佐藤の事務所へ向かった、任意同行を求め警視庁の応接室に、下山の秘書ともども案内したのです、


イスに座ると佐藤が二人が心中したと思われる時間には私達はホテルのラウンジにいた事が証明されているはずだがというと、その件は後で聞くとして、まずこれ、

をみてもらおうかと応接室のデスプレーに映し出された映像を見て驚いた、


立花ゆうこさん殺人未遂についてはどうだと聞くと、確かに東尋坊に連れ出したがUSBメモリを返して貰う為だったんだというので、わざわざ東尋坊に呼びださ、

なくても、ホテルで話せばいいではないの、しかも聞く人に睡眠薬入りの酒を、飲ませるとはおかしいではないのと笑うと、声がつまり無言になったのです、


塚田が机を叩き、いいかげんな事を言うな最初から東尋坊に連れて行き、崖から投げ下ろすつもりだったのだろうというと、無言である、黙秘か、それでは逮捕、

せざるをえない、午前10時15分殺人未遂で逮捕しますと塚田がいい、貴方には黙秘権があります、自分の不利益になる事は話さなくてもいい事を伝えた、


取調室に部屋を移し、佐藤と秘書別々の取調べが始まったのです、大阪地検も金の受け渡しが東京管内なので東京地検との合同捜査となり松崎検事を東京に派遣、

していた、リストにあった、その時の国土交通大臣の秘書と国土交通省の担当官を地検に任意同行をもとめた、


秘書にさる5年前の4月11日東京有楽町のヒルトンホテルにて高松物産の社長と会い、現金5千万円を受け取りましたねと聞くと、そんなところに行ってはいないし、

金は受け取っていないとしらばくれたのです、当時の宿泊名簿と聞き込みをやればすぐ分かることだ、今のうち喋れば情状酌量の余地もあるんですがといったのです、


国土交通省の役人も同じく知らないと言ったのです、それでは裏ずけ捜査をしてからもう一度来てもらうことになる、こちらには逃れられない証拠があり、その時は、

逮捕状をもつて行くぞと松崎が首を洗って待っているんだな、今日は帰ってもいいですよと、ニヤッと笑ったのです、


マスコミはどこで漏れたのか、裏献金リストには、大物政治家、役人の多くの人間が係わっており、平成の大疑獄事件として大々的に報道したのです、幹事長が、

記者会見を開き、現在検察が捜査しているのでコメントは差し控えますと、一切を語ろうとしないのです、


国会でもリストの中に野党が含まれているせいか、追求は鈍く、段々国民の顰蹙をかって行く事になり、政治不信が広がっていきます、佐藤の取調べでは観念した、

のか少しずつ自供を始めたのです、


殺すつもりはなかった、メモリを渡すよう高松物産の高知営業所長が言ったが拒否し、しかも自分を海に突き落とした為、船の後ろに周り、竹ざおを引っ張って、

茂を海に引き入れ殺害、次に幸子も海に引きずり込み溺れさせ、自殺に見せかける為にお互いの腕を結んだと供述したのです、


事前の殺害計画でなければなぜ紐をもっていたかと聞くので、あれはあの船で使っていた紐で事前に手にいれたものではないと言ったのです、しかしおかしい、

二人を司法解剖したら胃の中から睡眠薬が検出されている、この為に二人が心中したと断定したのだが、今の佐藤の話では溺死はそうだとしても、睡眠薬が検出、

されるのはおかしい、


事前に睡眠薬いりの酒を飲まして、殺害したのではと言うと、そんな事はないと佐藤は断言したのです、となると、佐藤が海に引きずりこんで殺害したと言って、

いるが、実は二人とも危険を感じ死んだ振りをしていただけで、その後誰かが睡眠薬入りの何かを飲ませ寝入ったところ、船からつき落さなければならない、

それが所長だとして二人が油断して睡眠薬入りの飲み物を飲むはずはないなあと思ったのです、


今日の取調べはここまでたと言うと留置場へ返した、佐藤の供述により現場にいたのは営業所長と自分の二人だと言ったので、秘書は釈放したのです、

高知県警では高松物産の営業所長を逮捕し取り調べていたが、佐藤と同じ供述をしているとの事であり、そのまま現場を立ち去ったと証言しているとの事である、


塚田はゆうこに捜査の進展を話さないと、USBの中身をマスコミ公開される恐れがあるので上司の許可を取り、話す事にしたのです、ゆうこに電話を入れ、佐藤が、

二人の殺害を認めた事を話した、しかし、あの時には捜査上の事なのでゆうこに言っていないのだが胃の中から睡眠薬が検出されている、それで心中と断定した、

のだが、今回佐藤は睡眠薬は使用していないと言っている、それがいまいち分からないのですと話したのです、


それを聞いたゆうこは現場にはあと営業所長しかいなかったのだから、彼が飲ませたのかしら、しかし、説得していた本人だから、何かを勧められても、

幸子達が飲むはずはない、誰かもう一人いたのだ、いたとすれば、茂がUSBメモリを持っている事を知っており、しかもそれが公開されるとまずい奴だわと、

考えていたが、


ハツと気がついた、しかしそんなばかな事があるのだろうかと動揺を隠せないゆうこであった、その疑問を解き明かす為翌日ゆうこは四国に向かったのです、















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