ブックオフでも新刊が買える

 はい、連続更新です。

 今回の内容はタイトルそのままです。


 ブックオフさんといえば古本を中心にした中古品販売で日本でおそらくトップクラスに有名だと思いますが、今ブックオフさんの店舗に入りますとコミックスの新刊売り場が設けられているのはご存知でしょうか。


 少し前からそういう取り組みをはじめていたのは知識としては仕入れていたのですが、いざそのような売り場を目にすると、おお……積年の対立を考えると時代は変わったなあ、と妙なところで感心してしまいました。



 というのも、今からしたら考えられないかもしれませんが、多くの書店さんがブックオフさんを敵視し、反ブックオフ色を鮮明にしていた時期もあるんですよ。


 私が行ったことのあるお店で、一時「打倒ブックオフ!」というような文言が書かれた色紙を堂々と店内に掲げていたのを目にしたことがあります。


 私の勤めていたお店でも、事務所に入ると、中古書販売業者さんに反対する共同声明をおこなった際のボードが掛けられていました。名指しこそはされていませんでしたが、ブックオフさんを想定していたと思われます。



 広大な敷地に加えて立ち読みも可能にした点、高度にマニュアル化された買い取りシステムなど、それまでの中古書店の常識を打ち破る販売手法により90年代~ゼロ年代にかけて急速に店舗数を伸ばしたブックオフさん。


 中古で売れたとしても作者さんにはお金が入ってこないということもあって、今でこそ違法ダウンロードサイトに取って代わられましたが、かつては書店さんにとって最大の脅威だったのです。



 その古書店業界の大手であるブックオフさんの店舗で新刊のコミックスが買えるようになったのは、ある種「事件」といっても差し支えないほどの出来事なのです。


 ブックオフさんの売り上げはこのところ電子書籍に押されるなどの理由により、新刊の書店業界よりも厳しい局面に立たされているそうです。

 

 そんな中で、店舗内のごくごく一部の棚ながらも新刊を販売していくという、通常の書店と変わらないような方向性へと舵を切ったのは、出版業界の衰退がさまざまに叫ばれる中で対立している場合ではないという判断が、取次さんなどと共有されたということなのかもしれません。


 私とてすべての本を新刊で買っている、というわけではありませんし昔の本だとどうしても新品で手に入りづらく利用させていただくこともあるので、ブックオフさんには続いて欲しいと思ってますし、積年の対立を超えて出版不況の難局に対して取り組んでいってほしいところです。

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