ゲームの世界で国主始めました

ラインズベルト

第1話 始まり

コンコン、コンコン。俺はノックの音で目を覚ました。俺は背伸びをし、多少寝ぼけながら「どうぞ」と言う。


「失礼します」


明らかに女性の声がした。ん?っと思って俺は寝ぼけていた顔をあげた。黒く長い髪に赤く澄んだ瞳。かなり整ったスタイル。俺はその女性を"知っている"。彼女はこの前俺が友人と始めた『アルテニア』という世界征服ゲームの俺が作成したキャラクター。


彼女は俺が作成した国、暁皇国の軍人。名前は峯川楓みねかわかえで。所属は陸軍。階級は始めたばかりなので大尉だ。


「?どうかされましたか?」


「いや、何でもない」


いや、おかしい。何で彼女が目の前にいるんだ?彼女はゲームのキャラクターのはずだ。理解できないが、何とか冷静になる。


「それで、何か用か?」


「はい。現在の我が軍の詳細を持って参りました」


「そうか、ありがとう」


コミュニケーション能力高くてよかった~。キョドってたら絶対怪しまれる……。それよりも何で彼女が―――ん?まてよ?"我が軍の"?


「すまない峯川大尉、我が国の名前は……?」


「え?……暁皇国ですが……?」


「!!」


やっぱりかー!!おかしいと思ったよ!!そりゃ彼女がいるはずだよ!!しかも服は軍服みたいだし!!


「へ、陛下?」


ついつい俺は立ち上がってしまっていた。峯川は少し身を引いている。俺は咳払いをする。


どうやら俺は暁皇国の皇王兼暁皇国軍最高司令官になってしまったらしい。(※設定作ったのは自分です)


「すまない。取り乱した」


「は、はぁ。えと、こちらが我が軍の詳細になります」


彼女は一呼吸おいて一枚の紙を渡してきた。俺はそれを受け取り、内容を確認する。



陸軍


防衛隊:2



海軍


駆逐隊:1



空軍


無し



すごい小規模だな。やっぱ始めたばっかりだからか?いや、俺のデータそのまんまなんだけどさ。となると資源は最低限しかなく、外交・貿易は無し。研究開発も手付かず。ていうか海軍も空軍も存在すらしてないんだが。


「我が国の地域は狭いし、外交も無い。取り敢えず付近の地域を併合したいし、資源調査もしたいところだな」


「なるほど。確かに今の我が国は町村が2つしかありませんし、よい考えかと」


「なら早速明日から準備を始めよう」


「はいっ!」


俺の国は町が港町と首都しかない。その2つしかない上に人口が少ない。軍はあるが小規模で、装備もおそらく世界から見たら旧式ばかりだろう。


ついでに言うと隣国は無く、俺の国は大陸の南西にあるものの、かなり小さく近くに国はない。だから周囲の町村併合して領土を増やす必要がある。このゲームの目標は世界征服や、国家繁栄など、多種多様だ。


俺の国は一応人間族の国家だが、このゲームは獣人族、エルフ族、半人竜(ドラゴニュート)族、魚人族など、様々で、かなりの数の国がある上に大陸が3つはあったはずだ(※ゲームのままなら)。


「じゃあ、早速この地図で一番近いこの村に行こう」


俺は地図を指し、そう言った。


「と、その前に軍のトップと大臣を集めてくれ」


「はっ!」


俺はそう指示を出して、会議室へ歩いた。一応館内地図は見た。

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