短編に拠って

風鈴水影

綿毛

綿毛「もう、空を舞うことには飽きた。早く地面に降りたい。」

風 「そこまで言うのなら、そろそろ、おろしてあげましょうか?」

綿毛「そうしてくれると助かる。」

風 「そうですか。では一度、止まりましょう。」


ふわっ

綿毛「これで一度休める。。。って、なにこれ、すごく周りがごつごつしてるんだ   けど。石?岩?」

風 「知りませんが、文句は言わないでくださいね。あなたが、自分で言ったんで   すから。降りたいって。」

綿毛「知らないよ。なんでこんなとこなんだよ。別に、好きで降りたいって言った   わけじゃないし。」

風 「そうですか。まあ、関係のないことなので。ここで失礼します。また会いま   しょう。」

綿毛「放置か。でも、仕方ないか。しばらくの間、我慢しよう。」

風 「ふふふっ。風に吹かれては、分散して、それぞれ違う場所で新たな命を産む   のだけれど、あの子たちは、果たして幸せなのか。それは、神のみぞ知ると   ころなのでしょうか。」

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