白夜の薔薇22 お風呂はヒノキで出来た立派な浴槽でした、湯船につかるとヒノキの香りが漂い、疲れがいっぺんに 吹き飛んだ気持ちになりました、
白夜の薔薇22
お風呂はヒノキで出来た立派な浴槽でした、湯船につかるとヒノキの香りが漂い、疲れがいっぺんに
吹き飛んだ気持ちになりました、
舞、が一緒に来て良かったでしょう、ここの料理も結構おいしいのよ、明日もう一日付き合って、私の
思い出のところへ案内するよと言うので、どんなところなのと聞くと、それは明日のお楽しみと笑っていました
が、その笑いに少し影をみた気がしたのです。
奈々は長崎にきていらい、たえず二人を監視している者がいる事には気ずいていましたが、知らん顔をして
いたのです
お風呂をあがり、部屋に戻るとふぐを始め、あわびなどの豪華料理がならんでいました、奈々がめをまるく
していると、この地酒はおいしいんですよ、女将がさあ一献といって日本酒をお酌しました、
一口飲むとまろやかで品のある味です、思わず美味しいと言うと、よかったわと女将が笑っています
ふぐ、は下関が有名ですけど、関東に出回っているふぐは長崎のほうが多いんですよ、どうぞ召し上がって
下さいと料理をすすめました。
女将と舞、ちゃんはどんな関係なのと聞くと、私も前にはモデルをやっていたの、同じ事務所で
私しはこの店を継がなくてならないので、ほんの腰掛つもりでやっていたから、仕事にあんまり積極的
ではなかったのよ、舞ちゃんもどっちかと言うとのんびり屋でなんとなく息があって、あっとゆうまに
友達になってしまったのよ
あの業界は人を蹴落としてのし上がるのが普通でしょう、何か二人とも向いていないのよねと、舞
を見てにっこり笑い、私達より奈々さんの方が美人でスタイルもいいしモデルにぴったりかもと言うと
舞がそうなの昔から、そう思っているだけど、奈々はそんな事には見向きもしないのよと笑って
います。
舞が女将は忙しいんでしょう、ここの部屋だけかまっているわけにはいかないでしょうから、ほっといて
いいよと言うと
今日は、おお女将にわがまま言って頼んだら、舞ちゃんが来ているんだから、いいよとあっさり承諾したの
よ、奈々さんがいやでなければ、私も仲間に入れてと言ったのです。
快く承諾すると、舞が、それでは改めて乾杯とグラスをかさね、よいやま話しに花が咲いたのです、
奈々がこんな素敵な女将だから良い人の一人や二人いるんでしょうと尋ねると、酒で酔いがまわったのか
それでは私の男遍歴を教えてあげると言って話始めたのです。
ここによく来る長崎の名士が連れてきた人なんだけど、とっても面白くて、この人の話している事を聞いて
いると思わず、引き込まれていくの、何か息があうというのか、初めて会ったとき昔から知っているいる
ような不思議な気分になったのよ
ある時彼の席をみるといないので、席をはずすなんてめずらしいと思い、探していると二回の回廊に
立つていたのです、どうしたんですかと声をかけると、笑いながら女将を待っていたんだよと答えたの
心配になって探しにくると思ったよと私の手を引いていきなりキスをしたのよ、
とたんに体中から力が抜けるのを感じてそのまま空いている部屋につれていかれ、われに返った時は
彼に抱かれたあとだったの、彼は手を優しくにぎりごめんと謝ったの、私は彼に抱きつき、いいのよ
と激しくキスをしたのよ、
彼を先に部屋へもどし、身つくろいをして何食わぬ顔をして部屋へ戻ったの、普通は態度がギクシャクする
んだけど不思議にそうならないの
彼の前へ行くと彼はニコニコ笑ってお酌を受けているのよ、遊びなれた奴だと思ってムッとした顔をすると
怒った顔も素適だよと言われ、思わず笑ってしまったの、何か本当に怒れない不思議な奴なのよ
それからどうなったのと聞くと、のろけ話をまだ聞きたいの、私がはなしたら、次は奈々さん、その次
は舞ちゃんだよと言い話を続けました
いい男は妻子がいるのよねとため息をつき、小さな町だからすぐ噂になるので隠れて会う事になるでしょう
でも私も彼も忙しくてなかなか会えないのよね、結局かれが店にくる時くらいしか会えなくて、それが普通
になり、ある時彼にどこかに連れて行ってと言うと二つ返事で、それでは駆け落ちしようと簡単に言う
ので、約束だよと指をからめると、これから駆け落ちしょうと優しく抱きしめたの
タクシーを呼び二人で店を出たの、車の中で今頃は大騒ぎになっているね、と彼に言うと大丈夫だよ、
おお女将にチョット女将を借りるよと言ってきたからと平気な顔をしているのよ
なあんだ本当に駆け落ちするんではないのと顔をのぞき込むと、だまってついて来てと言い、それっきり何も
しゃべらなくなったのよ
車は市街地を抜け佐世保の方へ向かっているらしく、もう一度顔をみると、何となく悲しそうな顔をしているの
あんなに何時もニコニコしているのに、何か重たいものをしょっているのかしら、彼の為にかしたい思いに
かられてギュット手を握ったのよ
この時はあんな不思議な体験をするとは夢にも思っていなかったのよ、と言うとコッブに入れた酒を飲み干しました。
息を飲んで聞いていると、信じられない事を話し始めたのです。
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