白夜の薔薇2 都井岬から壮大な太平洋を見ながら海岸線を北上するとやがて洞窟が見えてくる


白夜の薔薇2



都井岬から壮大な太平洋を見ながら海岸線を北上するとやがて洞窟が見えてくる

ここはヤエズフキアエズの命(屋根を作る前にうまれたのでそう言われている)、のちの神武天皇が生まれ

日向から東征し、大和朝廷を作ったと言う神話が残されおり、剣術の、

相馬四郎義元(慈音)が「念流」を愛州移香が「陰流」を編み出した場所でもある


戦争中特攻兵器、人間魚雷(回天)の訓練基地があった所で、今も小型潜水艦なら洞窟の奥に停泊可能

である、今そこにはロシア海軍の潜水艦が停泊しており、潜水艦の指令室では自衛隊の高官、元KGB

の大佐、極東貿易の専務が、沖の鳥島、に向かう、華の事をかぎつけ、光る石を奪う相談をしていた


この3人は沖の鳥島には、自衛隊の秘密基地がある事は知っており、行く途中で奪うつもりである

もちろん奈々も情報が漏れている事は知っている、基地の中に内通者がいるものとして敵を欺くため

わざと基地に来たのである


数日経って華と、真由美は羽田から沖縄経由石垣島へ飛び、船にのり波照間島へ1時間くらい経つた

頃突然目の前の海の中から潜水艦が浮上し、潜水艦のハッチが開き武装した男達が出てきて停船するよう

機関銃で威嚇射撃した


船が停止すると男達が乗り込んできて華を潜水艦へ連れ去り、潜水艦は海の底へ潜って行った

真由美は身の危険を感じ船長と共に浮き輪を取ると海に飛び込んだ

しばらくして船は大爆発をおこし海中へ、潜水艦から魚雷が発射されたのである

真由美と船長は危機一発で助かり漂流しているところを自衛隊のヘリコプターに助けられた


真由美は波照間島へ行き、焼き物の師匠を訪ねた、ポケットから光る石を取り出し師匠へ

そう、華は途中で襲われる事を予測して真由美に光る石を預けたのである

師匠はそれを見るとビックリした様な顔をし棚から花瓶の焼き物を取り出した

なんとそれは光る石と同じように花瓶から天井に向け光が


師匠によると沖の鳥島の土で作ったものであると言う、次の個展に出そうと思いこの土で

何個か焼いてみたがなかなか上手くいかず、ある温度と時間により作ると、光る事を突き止めたと言う

先生もこんな土は初めてであり、昔有名な陶芸家が、沖の鳥島、に漂着し

助けがくるまで焼き物を作くった話を聞き、焼き物に適した土があると思い探しに行き見つけたのだと

言う


華は潜水艦に連れ込まれ一室に押し込まれた、中には先客がいた、その男は華に光る石を持って

いるか尋ねた、持っていないと答えると決してありかを言ってはいけない、言えば殺されると

彼は10万年前にこの地域に隕石が落下し、その中にチタトロンが含まれている事をつきとめた

その場所に案内するため彼らに拉致されたのだった

彼の名前は磯田利通、理化学研究所の研究員であり、隕石の専門家である。

顔は今話題の総理大臣によくにており、周りから時の人とからかわれている


彼は落下したのは隕石ではなくアンドロメダ星雲の13惑星に住む異性人のチタトロンで出来た宇宙船であり

長年にわたり風化して土となっているのだそうだ、さらに光る石の設計図は宇宙船を反重力にするため

の回路であり、彼と華は攻撃されない為の人質である教えてくれた


そのときドアが開き、男が華に部屋を出るよう銃をつきつけ、指令室へつれて行き椅子に座らされた

そこには自衛隊の佐官の制服を着た男が自衛隊、沖の鳥島、基地司令官、加来三佐となのり光る石を

出すようにせまった、持つていないと言うと裸にして調べると言う、何回か押し問答していると

抑えつけ裸され、身体をくまなく探がされたが出てこない、しっこくありかを聞かれたが言うと殺される

と思い黙っていると、三佐はいずれ言うことになると薄笑いをうかべ服を着るように指示した

華ははずかしさで、身体じゅうが震え、涙があふれだした


潜水艦が浮上し、華と利通は男たちに連れられゴムボ━トに、しばらくして島の北側に上陸した

断崖絶壁だか洞窟があり、10m程入るとそこは空間が広がり、神殿の遺跡らしい構造物が点在している

利通は加来三佐に右奥を指差し、壁の立横2m位が粘土質になっており、これがチタトロンであると言う

加来三佐は戦争中、日本海軍の空母飛龍の艦長でミッドウェー海戦にて船と運命を共にした有名な

軍人を叔父に持ち自衛隊ではタカ派で知られている


男達は袋に土を詰める作業を始めた、利通はスキをみて華の手を取り左側の穴へ走り込んだ

そこは迷路みたいに、縦横にいくつもの穴がある、男達がきずいて追いかけてきたが

利通は迷路よく知っているらしく、しばらく走ると上に穴が空いており、階段のある所にでて来た


階段を登るとそこにはジ━プが止まっており、そばには奈々が、早く乗るように手招きした

二人が乗り込むと、ジ━プは野原を疾走し島の南側へ、しばらくするとトンネルが見えてきた

トンネルに入り、車を停車すると、そこはエレベーターになっているらしく、車ごと地下に降りていつた


エレベーターが停車すると、ドアが開き基地の中へ、基地のなかは正面に、たくさんのモニター画面が

あり基地の周辺を映し出している、ここには防衛の為のミサイルも備えられている

敵の潜水艦の位置もとらえられており、奈々が攻撃命令を出すと、ミサイルが発射された

しばらくすると、鈍い衝撃音が、ソナ━員が、命中、目標破壊と告げた

奈々は、華に、今までのいきさつを話し、つらい目に合わせてしまった事をあやまった


しかし、敵の潜水艦はまだ破壊されてはいなかった

加来三佐は、ミサイルを確認すると、機関を停止し疑似魚雷を発射、ミサイルはこれを追尾し

爆発したのである、しばらく潜水艦は停止し、スキをみて全速力で海域を離脱し、いずこへか消えた


華は、真由美が無事であり波照間島にいる事を聞き、ホッとし自衛隊のヘリコプターで波照間島の

真由美の元へ、真由美は先生が光る石を作れる事を、華に話した

華は、もう危険なめにあいたくないので、この事はだれにも話さないようしようと

真由美に言い、彼女も了承した


数日後稚内から北に、30海里離れた島の洞窟の中に潜水艦が浮上した

ここは本当の北緯45度31分、弁天島、日本の最北端の無人島である、戦争中はここにも海軍の潜水艦基地が

あったが今は使用されていない、彼らはロシアから調達した、武器をここに運び込み、一時保管している

潜水艦からチタトロンの土を、洞窟の一室に運び入れた、一部をロシアの研究所に送りチタトロン

を作るつもりである


しかしまだ反重力発生装置の図面は、手に入れていない

華を監視していれば、いずれ手に入ると思い実は波照間島に、仲間を送り込んでいるのだ


華は、波照間島の珊瑚礁に広がる、海の素晴らしさを目にしていた

真由美にダイビングのインストラクターを紹介して貰い

海岸に行くと、真っ黒に日に焼けた青年がにこやかな顔で高田健一です、と挨拶した

なかなかのイケメンである、船に乗りポイントへ、装備を付け海中へ潜ると、海の中は透き通り

珊瑚礁に色とりどりの魚が泳ぎ、まるで竜宮城のようである


海から上がると、彼が美味しい魚を食べさせてくれる店があるのでと、夕食にに誘ってくれた

彼は陽気な性格で、華とは息がピッタリ、お酒を飲んで盛り上がり、やがて彼の部屋のベッドに

二人は激しく、そして何回も求め合あった


楽しい日々はあっと言う間に過ぎ、東京に帰る事に、真由美は先生と次の個展に出す作品を作るため

暫く残る事にした

光る石の事は健一にも話していない、再開を約束して東京へ

東京に戻り奈々に光る石を返す為電話すると、奈々は暫く預かって欲しいと言う、訳を聞くと

光る石は敵の潜水艦と海に沈んだ事になっていて、その石は存在しない方がいいのだと

しかたないので部屋の熱帯魚の水槽へ、水槽の底には沢山石があるのでよく見ないと見分けがつかない

しかも水に入れると光は発しないのである


健一は真由美の恋人で、この島をたまに訪れるのは、先生に会いにくるのではなく、彼に会う為なのだ

彼は偏屈な真由美の先生と馬が合わず、いつも避けていおり、まさか光る石を作る事が出来るとは

夢にも思ってない

彼はそれとなく光る石の事を真由美に聞いたが、真由美は華との約束があるので知らないと答えた

真由美はそうそう店を留守にするわけにいし、彼も丁度、東京に用事あるので一緒に帰る事にした


しばらくして健一から東京に来ていると華に連絡があり会うことに

彼の知っているフランス料理の洒落た店で、待っていると久しぶり、とにこやかな顔で入って来た

このレストランは彼の友達が、オーナーで、島から毎日新鮮な魚貝類を送っている、のだと言う、食事を

しながらの会話も楽しく、素敵な恋人ができ、華は幸せの絶頂にいる感じがした


一周間くらい東京にいると言うので、自分の家に泊まるよう勧めると、もうホテルを予約してあるのでと、

それなら明日自分の手料理を食べて欲しいと言うと、こころよく承諾してくれた

彼はこれからどうしても、はずせない用事があるので明日必ず連絡すると言い、出かけていった


実は華は料理は得意ではない、料理の本をみながら考えたが作る自信がない、手料理なんて言った

自分を後悔していると携帯電話が、健一からである、思い切って話すと、何にもなくてもいいからと

慰めてくれた、来たら近くの店にに行こうと思い待つていると、ピンポーン、呼び出し音が鳴り

鍵をあけると健一は、両手一杯に料理の材料をもち、一緒に作ろうと言ってくれた


健一は料理が得意らしく、手際よく和食を作っていく、最後にキビナゴと言う小魚の内臓、骨をきれいに

取り皿に盛り付けると、まるでふぐの薄作りのように、あでやかであり、感心して見ていると、

にこにこ笑いながら酢味噌で食べると最高なんだよ、華にぜひ食べてほしいと言った


ワインを開けおいしい料理を食べながら彼との楽しい会話をしていると、酔いが回ったのかうっかり

光る石の事を話なしてしまった、彼は作り話しだと言いい相手にしてくれない

チョットムッときてとうとう熱帯魚の水槽から石を取り出しテーブルに置いた、天井に向かって光が


彼はビックリして華を抱き寄せゴメン、ゴメンと謝りキスをした、彼の手が華の腰を抱き換え

ベッドに、その時ドアを開ける音がして男が入って来た、加来三佐である手にはサイレンサ━の拳銃

を持つており健一に光る石を渡すように言った、健一はチョットためらったが華を突き飛ばすと同時に

ビシッ.ビシッと音がして男が倒れた


いつのまにか健一の手には拳銃が、しかし、健一も右胸が血にそまっている、ビックリして抱き起こすと

あえぐ息のなかから、この石を手に入れる為、華に近づいたが、本当に愛してしまったと、石を渡せば

華が殺されるので、やむなく加来三佐を撃つたと話すと、こときれた

暫く華は呆然としていたが、震える手で奈々に電話をした、すぐ行くのでそのままにして置くようにと

やがて奈々が部屋に入って来て、やつぱり預けるべきでなかったと言い光る石をポケットにいれた


奈々は周りに注意しながら二人の死体を車へ運び込みどこかえ走り去った

しばらくして加来三佐が訓練中の事故、健一が交通事故で死んだ事が新聞に載ったがマスコミもたいした

話題にしなかった


奈々から今までの事は忘れるように、それから光る石は宗谷岬の4531の標識の下に、埋めるのでもし自分

に何にかあったら、理化学研究所の利通にありかを教えるようにと、言い残しそれきり連絡はとれなくなった


華は最愛の人を亡くし、幸せの絶頂から突き落とされ、それから無気力生活するようになったのである


それから華は昼間の仕事を止め、ホステスとして銀座に勤めているが、見た目が可愛いいせいか、

大して努力しなくても結構お客にはもてている

ある日、華の前に一人の男が現れた、その男は東都貿易社長、西健治と名乗り、店のオーナーとは

古くからの知り合いらしい、たまたま席に付き、意気投合してしまった


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る