白夜の薔薇

村上俊介

白夜の薔薇1 毎日無気力に生きてる一人の女と、頂点を目指し走りつづける男、相反する生き方をしてきた二人が、偶然に出会ってしまう

白夜の薔薇1


毎日無気力に生きてる一人の女と、頂点を目指し走りつづける男、相反する生き方をしてきた二人が、偶然に出会ってしまう

男は女に自分にない優しさを、女は自分にない激しさを感じてしまう、男は女を食事に誘い、その途中自分の激しさを隠すため、


一輪のバラをプレゼントする、女は男の意外な行動に、とまどいなから遠い昔に情熱的だった、自分を思い新しい恋の予感を感じる


しかしこの出会いが、二人を意外な方向へ導き、運命の歯車が大きく変わる事をまだ二人知らない


そう女の名前は、華、取り立てて美人でないが、昔木綿のハンカチ━フを歌つってた、アイドルに目元がよく似てる

見た目はのんびりしているように見えるが、下町で育ったせいか、祭りにはみこしを担ぐチヤキチヤキの江戸っ子である、


そんな華が毎日を無気力に暮らすようになったのはそうそれは今から5年前の暑い夏の事であつた


華は東北の温泉に友達と夏休みを利用して来ていた、ひなびた温泉だけどお湯はいいし、料理もおいしくて大満足

一泊して次の日には東京に帰る予定だったが、朝起きて見ると友達の姿がみあたらず忽然と消えてしまったのである


散歩でもしてるのかと思い外に出て見る事にした、まわりを探したが見あたらず、しばらく小道を歩いていると

なにやら水の落ちる音が、するのでわき道へ入ると、目の前に高さ10mはあろうか滝が見える、そばに近寄ったが、


人の気配はないもう一度まわりを見渡すと、滝の横の岩で何かがキラリ光っている、そばに行ってみると、水晶みたいな

石である、華はそれを手にとり、ポケットに入れた


後にこの石が災いをもたらす事になるとは、華は夢にも思っていない


とその時携帯メールが彼女からである、ごめんなさい、緊急の用事で先にかえると華は自分勝手な彼女にチョット、

腹が立ったが無事がわかり、ホッとして旅館へ、彼女の名前は奈々血液型ABのせいかチョット勝手なとこがある、

華はO型なので意外とうまがあうのだ


一人ではつまらないのでそうそうに宿を引き払い東京へ、その後彼女からは何の連絡もないが、チョット怒っているので

そのままにしておいた、しばらくたって一人の青年が華を訪ねてきた、奈々の恋人らしいがあの日いらい連絡とれず行方を

探していると言う


華と奈々は中学高校生の友達である、学校を卒業ご華はアパレル関係、奈々はコンピュターメーカーに就職した、華はネットを

使って国内のアパレルの動向を調べ、新製品開発の企画をつくる仕事をしているがのんびりやの為か世の中の進歩のはやさに


毎日悪戦苦闘している、奈々はあんまり仕事の事は話さないので詳しくはわからないが、どうも会社の偉い人の秘書

をやっているらしい


奈々は今回の華との旅行は恋人には言つてないらしい、恋人に隠すなんて不思議だと思い、置いてきぼりになった事をはなすと

彼はやっぱり何か事件に巻き込まれたんだと呟いた、


何か思い出したら携帯に連絡欲しいと言い残し彼は帰って行った、華は念のため奈々の携帯に電話した呼び出し音はなるが出ない

こころあたりの友達に連絡取ったが、最後に会ったのはやっぱり華らしい、会社も無断欠勤していて上司が警察に捜索願いを出した


との事である、もう一度奈々からの最後のメールを確認すると、その時は気が付かなかったが最後に4531の数字がついている、

よく解らない数字である


華は3連休を利用して会社の仲間と北海道の稚内に旅行に来ている、さすがに北の果てもうソロソロ冬支度に入るのか風も冷たく

肌寒い、近くの観光名所の日本最北端の宗谷岬に行きオホーツクの雄大な海を見渡していると最北端の標識に数字が4531と

書いてある、奈々が最後にくれたメールに4531の数字があったのを思い出し毅然とする


そう日本最北端は北緯45度31分なのだ、そして誰かに見られているような視線を感じる華であった


ホテルに戻り考えを巡らせていると前回奈々と旅行に行った時の写真がカ━ド入れにある事に気つき早速ホテルのロビ━へ

写真をみせ尋ねてみると今日宿泊してるが外出していると言う、なぜ奈々が今日ここにいるのか、偶然にしては?


戻ってきたら部屋に連絡してくれるよう頼み帰りをまつ事にその時またもや背中に冷たい視線感じ、振り返ると特にあやしい人は

みあたらない


夜の12時になっても連絡ないのでフロントに電話をしたがまだ戻らないとの事、胸なさわぎがして朝方まで寝られずうつらうつら

しているとけたたましいパトカーのサイレンの音、びっくりして飛び起き窓の外をみるとパトカーが、しばらくして激しくドアを


ノックする音がドアを開けると男が警察手帳をみせ話しを聞きたいと言う、なにが起きたのかたずねると、華のとなりの部屋で男が

刃物で胸をさされ死んでいるらしい


これ以降周りで次々と殺人事件が起き、華は事件に巻き込まれていく


殺されたのは斎藤博 内閣情報室 情報官、一般的にはなじみのない名前だがアメリカのCIAロシアのKGBと同じの日本の

情報機関である、華は写真をみせられて驚いた、なんとそれは前に奈々の彼氏と言って尋ねてきた男である、刑事にはいままでの

事をかいつまんで話すと、けしてだれにも話さないようにと念をおされた


ここは宮崎県都井岬、太平洋の黒潮が内陸に一番近づき一年中暖かい、岬から見える太平洋は実に壮大で、季節によりイルカの

大群が、沖を泳ぐ姿を見ることができる、また岬全体が自然公園になっていて、日本馬が放し飼いになつており、岬の突端には

明治時代に作られた灯台が船の道しるべとして、煌々たる光をはなっている


都井岬のホテルの一室に一人の女が昨日から宿泊していた、窓から夜の海を眺めていると、沖合になにやら光が点滅している

そう泊まり客は奈々そしてその信号は、沖の潜水艦からの連絡であったこちらから懐中電灯で信号を送り、ホテルの下の海岸へ降り

て行くとほどなくゴムボ━トが、奈々はゴムボ━トに乗り込むと夜の海に吸い込まれていった


華は3連休も終わり東京へ、楽しい旅行のはずが、さんざんな目にあい疲れ果てて帰って来た、早めに帰ってきたので洋服を洗濯

に出そうと思い、ポケットに手を入れると何かかたいものが取り出してみると滝で見つけた石である、そばの机にその石を置くと


なにやら天井に向かって光が天井を見上げるとよくはわからないが、機械の図面らしきものが映っている、大学の研究室で助手

をやっている友達がいる事を思い出し調べて貰う事にした


これが国家機密にかかわるものだとは華は夢にも思っていない


大学の研究室に勤めているのは高校からの友達である玲奈、彼女は頭も良くスボ━ツ万能で休みの日には湘南でサ━フインをやり、

インストラクターの資格を持つほどの活発な女の子である、玲奈は原子力に代わる放射線などをださない、新しいエネルギーの


研究をしている、華が持ち込んだ石の光線から映し出された図面をみて驚愕した、なんとそれは反重力発生装置の設計図面

(エネルギ━を使わず重力に反発して空中に浮く事ができる)である


理論的には証明されているがまだ実在しない、理論では絶対温度━235度に物体を冷やすと重さがなくなる、実際に液体窒素を

使えば瞬間的に実現可能なのだが、温度を持続する事は不可能なのである、しかし持続できる物質があれば可能でその物質は


チタトロンと言って地球から230万光年離れたアンドロメダ星雲の13惑星にある事がわかっているが、残念ながら取りにいけない


玲奈はこの石は大変な物であり、決して存在を他人に話さないようにと念を押し華に返した、一週間後の事である、華が家でテレビ

を見ていると、湘南の海でサ━フア━が水死体で発見され、台風の影響で波が高く、高波に飲まれた事故だと、顔写真いりで放送

していたが、その顔を見て驚いたなんとそれは玲奈ではないか


その時玄関でチャイムの音が、覗き穴から覗くと不審な男が二人立つている、ドアごしに用件をたずねると、神奈川県警の刑事で

玲奈の事について聞きたい事があると言う、ドアを開け中へ、彼女の手に紙切れが握られていて、それに2402華と書いてあると

の事、刑事は多分事故だと思うけど念のためと、こころ当たりがないと言うと、たいして話しも聞かず帰っていった


華は4531の事があるのでインターネットで調べてた、2402、なんとそれは日本最南端、北緯24度02分は沖縄県の波照間

島である、どんなとこなのか、知り合いにこの地域に詳しい人がいるのを思い出し聞いてみることに


知り合いの人の名前は真由美、銀座で洒落たバ━をやっている、某芸術大卒業後有名な陶芸家に弟子入りし5年間修行して、

今では個展を開くほどだがなんと言ってもこの道で食べていくのは難しい、芸術家には珍しく人当たりがいい性格なので、


数年前に洒落たバ━を開いたところ大当たり、いまでは商売の方が忙しくてなかなか作品作りまで手が回らない、

彼女の先生が最南端の島に住んでおり彼女もそこにいた事があるらしい


波照間島そこは南国のパラダイス、砂浜は白い珊瑚礁におおわれ海の色はエメラルドブルー海にもぐれば色とりどりの熱帯魚が

泳ぎ、まるで竜宮城に来たみたいであるダイビングには最適のスポットであるが遠いせいか観光客は少ない、華は真由美にたのんで

その島に同行して貰う事にした


実は最北端と最南端は別にあり、そこはいずれも無人島である、地図上に直線を引くと意外な場所が浮かび上がってくる


そのころ海上自衛隊潜水艦わかしおの司令室の中では、奈々がこの潜水艦の艦長と地図を見ながら話をしていた、しばらくして

艦長が急速浮上と命令した、館内に緊急を知らせるブザ━がなりしばらくして海面へ、司令塔から外へ出るとあたりは暗闇である


夜空には満天の星が、遠くに島らしきものが見える、奈々はダイビングス━ツに着替え機材を水中バイクにくくりつけ海中へ、

しばらく海中を進み浮上すると島の南側へ上陸した


そうここは沖の鳥島、北緯24度02分、本当の日本最南端の無人島だが、実はこの島の地下50メータには自衛隊の秘密基地

があり、南西方面の情報を収集しているこの海域はまぼろしの大陸アトランティスがあったのでないかと言われており、

最近基地拡張工事中に意外なものが発見されたのである、そうそれは現在華が持っている光る石なのだ


沖の鳥島、は周囲が断崖絶壁になっており、アホウドリの天敵がいないことから、絶好の繁殖地になっており、時期になると

何十万羽の鳥が飛来し卵をかえしひなを育てる


ここで発見された光る石は、東京に輸送中ヘリコプターとともに行方不明になり、防衛庁は何者かが略奪したものと考え捜査して

いたところ東京に本社がある極東貿易が捜査線上に浮かび、奈々を秘密捜査官として潜入させたのである


奈々はさる国会議員の紹介で極東貿易の専務秘書になり、調べているうちに、この会社はロシアの元KGBの秘密組織を通じ、

武器を調達して紛争地域に輸出しており又調達は自衛隊にもおよんでおり、高官が関わっているらしい、さらに光る石略奪にも

一役かい、本社の金庫室に保管している事を突き止めた


金庫室に忍び込みこれを取り返し、華との旅行中に仲間に渡す予定でであったが仲間と接触する前に敵を察知し、華が見つけて

くれるように滝の岩に置き華に危険が及ぶのを避けるため、自分が持っているようにみせかけ逃避していたのである


敵はまさか華の、手もとにあるとは知らずに、奈々を探していたが玲奈から華が、持っている事を聞き出し玲奈を事故に見せかけ

殺害した


奈々は敵にきずかれないよう4531の日本最北端の数字を華に送り、2402の日本最南端に呼び寄せそれについてくる敵を

一網打尽にする計画を立て、それを実行するために一足先に、沖の鳥島へ来たのである、都井岬は日本最北端と日本最南端を


結んだ線上にあり、灯台の地下50メールには九州防衛の基地がありここで装備を受けとったのである、意外な場所とは線上に

防衛庁の複数の秘密基地がある事である


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