どん兵衛の憂鬱

東利音(たまにエタらない ☆彡

第1話

わたしは、日清のどん兵衛が好きだ。大好きまでは行かない。


何故かは後述する。




同日清のカップヌードル、チキンラーメン(これはカップ麺ではなく袋麺だが)と並んで、リアル志向寄りではない、昔ながらの独自ジャンルとして絶大な支持を得ているものは間違いないだろう。


良くない兆候であるが、最近、本物のラーメンに出来る限り近づけようと無駄な努力をするリアルロボットカップラーメンと、カップヌードルを筆頭にするスーパーロボットカップラーメンの差が激しくなってきた。


スーパー系(1.5倍が売りのスーパーカップもスープはともかく麺があれな時点でその名のとおりスーパー系に分類される)はもはやSF考証ならぬ、ラーメン考証をある程度ドロップしたうえで独自の進化を遂げて真価を発揮し深化し、時には神化されている。


為替相場の影響や原材料の高騰などで、昔のように100円でカップヌードルが売られることは少なくなってきたが(100円だと思って手に取ると大体はスープヌードル)、専門店でのラーメンが600円オーバーが当たり前のご時世、王将でも4~500円ぐらいだと考えたら、十分にすみわけが出来ている。


そのコンセプトの違いから、180円という破格で話題になっていたびっくりラーメンとも差別化が出来ていた。


対してリアルロボットラーメン(ロボットの部分は初めから無かったものとして読み飛ばしてください)の中途半端さはどうか?


コンセプトは名店(あるいは街の大衆中華屋)の味を、手軽に……。である。


麺に拘り、スープに拘り、具材に拘り、挙句の果てには頑固おやじが監修する。


それで本物に近づけたのなら良いのだが、本物の味には程遠く、値段も相応に高くなり、ロボット(ここでは食品として読みかえてください)としての完成度としては、総合点でスーパー系に劣る。


そもそも元となるラーメン屋自体の流行廃りが激しいので、ヒット商品が出たとしてもロングセラー商品が生まれにくい状況でもある。


2~300円払ってまがい物の発展途上のリアルラーメンを食べるぐらいなら、もはや日本人のソウルフードとなった不変のスーパー系ラーメンを食べたほうがコスパやら満足度やらいろいろ有利だ。


挙句、袋ラーメンがカップ業界に進出してきている。その完成度たるや、リアル系の凡百のラーメンなど足元にも及ばない。


チキンラーメンはもとより、出前一丁、サンヨーファミリー(サッポロ一番塩ラーメン等)が、不朽の名作、エースコックのワンタンメン等がお湯を入れるだけで多少の違和感はあるものの、本物に近い味でカップの中に再現されるのである。




ラーメンの話は本題ではないので、この程度で良いだろう。


今現在憂いているのはどん兵衛についてだ。


と、ここまで書いて、赤いきつねについて(当然緑のたぬき、黒い豚カレー)失念していたと思いいたる。


とあるデータ(初公開!「カップ麺」売れ筋トップ100商品 | 企業ランキング | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準)を参照すると、日本一強いカップ麺は、日清のカップヌードルだということだ。


全国平均で、4.5%のシェアを誇るという。堂々のトップである。


シーフードが3.1%(3位)、カレーが2.0%(8位)と合わせると約10%。


日本人が食べるカップ麺の10個にひとつはカップヌードルの王道3巨頭だということになる。(そこにBIGだの、miniだのの約1%程度が足され、他のフレーバーもあるので、もはや圧倒的である)


一方、うどんは……となると、あかいきつねが3.37%で2位に付けている。大健闘だ。


だが、東西データを見て驚愕する。






(画像は上記サイト:http://toyokeizai.net/articles/-/127104 記事中より抜粋して引用。可読性のため当方で加工させていただいております)


東の勇は、赤いきつねであり、西の勇はどん兵衛なのである。


(画像が見えない環境に配慮して要約すると、


東日本のランキングは、


1位 赤いきつね 5.44%


2位 カップヌードル 4.68%


3位 緑のたぬき 4.24%




東日本のランキングは、


1位 どん兵衛 きつねうどん 5.60%


2位 カップヌードル 4.20%


3位 焼きそばU.F.O 4.07%


である。)


これは、どん兵衛と赤いきつねが手を結べば、カップヌードルの牙城を崩せるということを意味する。


ラーメンに比べ、うどん、そば系は品種が少ないということも影響しているとは思うが、聊か驚愕に値するデータである。




さて、以上、カップ麺ラーメンについて、全国シェアについて述べてきたが、実はそんな話はどうでもよい。


どうでも良いついでに、もっとどうでも良いことを記述させていただくと、本記事のタイトルについて、「可哀そうなうどん兵衛」「どん兵衛に足りないもの」「残念どん兵衛」など、多数の2~3の案があったが、どれもしっくりこず、暫定で「〇〇の憂鬱」としている。


さっきtypoの関係で「かわいそうどん兵衛」という案も出たが、やはりしっくりこない。良いタイトルが浮かんだ方は一報いただきたい。




本題に入る。


ここではどん兵衛を取り上げるが、赤いきつねにも言えることであるので、マルちゃん派の方は読みかえていただけると幸いである。




カップうどんはどちらかというと、スーパーロボット系だと筆者は考えている。


麺について香川の腰もなければ、博多のくたくた感もない。


スープもうどん屋の上品な味に比べると、数段劣る。劣るというのは語弊があるかもしれない。ジャンクである。これは立ち食いうどんなどの安価な店舗と比べてもそうだ。


あえてジャンク舌用にチューニングされているのだろう麺との相性もあるのだろう。




立ち食いそばうどん屋があちらこちらにあり、カケなら200円少々、トッピングを入れても300円弱で食べられる店舗型のうどんに対し、150円ぐらいはしてしまうデリバリー方のカップうどんではあるが、それ(価格とポジションによる住み分け)についてはまた後日述べよう。




わたしがどん兵衛について、最も不足していると考える要素。


それが本題だ。


麺のコシでもスープの濃さでもない。


具だ。


日本人であれば、様々な飲食店でうどんを食してきたことだろう。


おやっさんがおかみさんと経営しているような、街のうどん屋では、きつねうどんはきつねうどん、たぬきはたぬき(そばなのかうどんなのか、揚げ玉なのか薄揚げなのかはおいておいて)、月見は月見、メニューには具が一種類のうどんが並ぶ。


しかしやってみればわかることであるが無茶が利く。よほどこだわったうどん屋ではない限り、「おっちゃん、きつねうどんに天ぷら載せてくれ」と頼むと、そういううどんが出てくるはずだ。(ただ、これは共感を得ないわたしの独断と偏見だが、天ぷらがきちんとしたエビである店舗では、月見はともかく天ぷらと揚げを同じ丼に共闘させるのはモラルの観点から避けたい)




またもや脱線しかけた。


真に語りたいのは、トッピング自由系のうどん屋についてである。


サイドメニューのおでんやら、立ち食い系食堂で午前中で売切れてしまい、何故もっと生産しないのか? とクレームのひとつも入れたくなるいなり寿司について騙るには紙面が狭すぎる。(馴染が無い地方もあるかと思うが妥協して元禄、それすらなくおにぎりにするか大盛りにするか)




うどんの良いところはトッピングが自由自在だということである。


ラーメンについてもある程度の自由は利くといえよう。


チャーシュー増し、煮玉子。


だが、ラーメンと(おもにスープ、麺の太さなどのコダワリ要素)具材は切っても切り離せない。いわば、ザクだ。ザクというのはジオン軍の起動兵器(モビルスーツと呼称される所謂ロボット)。


うどんは、どちらかというと連邦系のMS(モビルスーツ)と近い。


麺がコアブロックシステムなのだ。コアブロックシステムというのは、コックピット兼簡易戦闘偵察機であり、設定上は実戦で蓄積されたデータとパイロットを保護するため、ロボット本体から切り離して脱出ポットとしても使えるアレである。


コアブロック(戦闘機形態ではコアファイターで変形すると四角くなり、ロボットの腹に収まる。マジンガーZの頭に乗ってるようなやつのイメージ)にガンダムの上半身(Aパーツ)とガンダムの下半身(Bパーツ)が組み合わさるとガンダムになるし、ガンキャノンのそれではガンキャノンになる。


ガンダムのAパーツ、がんダンクのBパーツを合体させるようなことも可能だそうだ。




閑話休題。


ともかく、うどんの麺やスープにはこだわりがない。いやこだわりというのは語弊があるか。彼らは主張しないのだ。


甘く煮た揚げにも合うし、甘く煮た肉にも合う。天ぷらにももちろん合う。


玉子を落すと絶品である(ここでは、月見の卵の食し方、最初に溶くか、徐々に崩すかなどには触れない)




その他、うどんのトッピングには数多くの種類(にしんや、山菜、その他もろもろ)があり、組み合わせの総数は億を優に超える。




ここで漸く本題に入ることができた。


うどん屋(特に立ち食い系や最近はやりのセルフ店)では、ユーザーが自由にうどんを食せるのである。


筆者の地元で展開している都そばでは、都スペシャルという、きつね+天ぷら+玉子というメニューすらデフォルトで存在している。


筆者の地元で展開している阪急そばでも同様だ。


(ここでは何故、うどんではなくそば屋を名乗っているかについては触れない。多分検索すれば知恵袋などで相応の答えが見つかるだろう。そこに信ぴょう性があるかないかはともかくとして)




きつね、天ぷら、玉子、そして時と場合によって肉。


トッピング四天王(人によってはわかめ等を重要視することも片隅に置いておいてほしい)の全部のせ、あるいは予算と腹具合によってそこから1種、あるいは2種を選ぶことが可能だ。3種も行ける。


少しイレギュラーだが、揚げを2枚、天ぷらを2枚(えび天ではなく、かき揚げというのもはばかられるほぼほぼ衣で構成されたアレ。)といったダブルも可能である。




ここまで読んだ奇特な方であれば、何が言いたいか伝わったであろう。


どん兵衛には選択肢がないのだ。


最近、天ぷらうどんが出たり消えたり、かき揚げがちょっとこだわりを持っていたりするのだが、元々、


うどんなら揚げ、そばなら天ぷらという奇しくも赤と緑とも同じラインナップであり、そこに肉、カレーが加わる。


玉子については家庭に常備されていることも多く、コンビニでも一個売りされている(温泉卵だけかもしれないが)ために、なんとかなりやすいが、揚げや天ぷらを追加トッピングするという選択肢が存在しない。


揚げであれば4枚セットでスーパーなどで売っているが、私の見た限り、揚げは2×2の4枚で売られていることも多く、ひとりどん兵衛には適さない。


あの、超絶に美味い、衣がほぼほぼである天ぷらの入手はさらに困難である。甘く煮た牛肉も同様。




是非日清さんに要望したい。


まずは基本の商品をシンプルにしていただきたい。


ベースである、素うどん、素そばで良いのである。


そして、とっぴんぐの揚げ、天ぷら、肉については別売りにしてほしい。


全ての店でそうである必要はないと思うが、どこか大手のコンビニと提携して、あるいは、既存のきつねうどん、天ぷらそばについてはそのままでもいい。


どうか、そこにプラスできる具材、揚げ、天ぷら、肉を別途購入できるようにしていただきたい。ネット通販限定でも良いのです。


今日、どん兵衛のかき揚げうどんを食べたのだけれど、それはそれで美味しいのではあったが、天ぷらもそばに付いているデフォルトの天ぷらで良かったし、肉を一緒に食べたかった。




以上

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